業界ウォッチ 2022年3月22日

【データから読み解く】オンラインサロン市場

今回は「オンラインサロン市場」を取り上げてご紹介いたします。

近年、著名人や有識者などが主催するオンラインサロンが増えてきているようです。代表的なオンラインサロンとしては、「堀江貴文イノベーション大学校」、「西野亮廣エンタメ研究所」、「中田敦彦online community」などが上げられ、数万人規模の会員を持つ大規模なコミュニティとなっています。

オンラインサロンとは、オンライン上の会員制コミュニティを指しています。サロンを主宰するオーナーと、サロン参加者・会員同士がSNSやオンラインサロンプラットフォーム事業者が提供するシステム等を通じて交流できるようになっています。

月額課金の有料サービスとして提供されることが多く、オンラインサロンではテキストベースでの交流、主宰者によるライブ配信や、会員限定のコンテンツ等が提供されます。

それでは、こうしたオンラインサロンの市場規模はどの位で、どのように推移しているのでしょうか。どの事業者が、こうしたオンラインサロンサービス(プラットフォームなど)を提供しているのでしょうか。また、ユーザー・参加者にはどういう分野の音来サロンが人気で、どの位の金額・月会費を払っているのでしょうか。実際に数字を見て確認したいと思います。

オンラインサロン市場

まず、オンラインサロンの市場規模を見てみます。ICT総研によると、オンラインサロンの市場規模(利用総額)は、2019年に47億円でしたが、そこから増加トレンドで、2022年には122億円と100億円を突破し、2025年に183億円になると予測されています。

利用者数は、19年に25万人でしたが、そこから増加トレンドで25年には145万人になると予測されています。

オンラインサロンサービスを提供する事業者の利用者数のシェアを見てみると、総利用者数61.7万人のうち、最もシェアが高いのはDMMオンラインサロンで15.6%となっています。次いで、CAMPFIREコミュニティ(10.9%)、Salon.jp(10.7%)、note(10%)、IDOBATA(7.3%)と続きます。

次に、利用したことがあるオンラインサロンのジャンルを見てみます。最も多かったのは「ビジネス・起業」で36.2%となっています。次いで「スキルアップ」(30.4%)、「金融・投資」(29%)、「美容、ファッション」(21.7%)と続きます。

利用したことがあるオンラインサロンの月会費を見てみると、最も多かったのは「1001円~3000円」で32.5%となっています。次いで「1円~1000円」(19.2%)、「無料」(17.1%)、「3001円~5000円」(13.3%)と続きます。

一方金額が高い、「5001円~10000円」が9.6%、「10001円以上」以上が8.3%と、5001円以上と回答した人の割合は、合わせて17.9%となっています。

ちなみに、グラフには表示されていませんが、元資料データでは、ジャンル別に利用したことがあるオンラインサロン月額料金が示されています。それによると、「5001円以上」の払っている人の割合が「ビジネス・起業」で30.6%、「スキルアップ」が18.5%、「金融・投資」が22.8%、「美容・ファッション」が22.3%となっています。

こうしてみると、オンラインサロンの市場規模は急速に伸びていることが分かります。サービス提供事業者はDMMオンラインサロンがトップですが、2位(CAMPFIREコミュニティ)以下の事業者と大きな差があるわけではなく、今後、このほかの有力な事業者が登場してくる可能性がありそうです。

また、ジャンルでは「ビジネス・起業」、「スキルアップ」、「金融・投資」、「美容、ファッション」ジャンルの人気が高く、支払っている金額も大きいことが分かります。

どのくらい会員を集められるのか、どのくらい会員に満足してもらい、有料会員として継続してもらうのかは、主宰者の企画・運営力次第だとは思いますが、マネタイズするためのビジネスモデルの一つとして研究してみても良いかもしれませんね。

出典:
ICT総研「2021年 オンラインサロン市場に関する調査」
「オンラインサロンの利用状況に関するアンケート結果」
「資料1 オンラインサロンの動向整理」