執筆:mbaSwitch編集部
「ビジネスや経営の知識を深めたい」「課題解決能力を高めて仕事でもっと結果を出せるようになりたい」「自らを成長させ人生をより充実したものにしたい」「今の仕事になんとなく不満がある」など。
さまざまな想いやきっかけから、MBAに興味をもつ方がいるのではないでしょうか。
本記事では、MBAの基本的な知識はもちろん、「MBAと中小企業診断士の違いは?」「MBA取得のための大学院に入学するのは難しい?」「国内のMBAと海外のMBAはどう違う?」など、MBAに関する疑問について解説していきます。
<関連記事はこちら>
日本国内のMBA大学院ランキングを紹介。海外との違いや特徴・選び方
MBAを取得できる大学院(経営大学院)の選び方は? 選ぶ際に確認したい10のポイントを紹介!
オンラインMBA(通信制)はビジネス・ブレークスルー大学大学院(BBT大学院)が最適! 特徴やメリットを解説
【国内・海外別】MBA大学院の難易度は?入学〜卒業までの準備内容・費用も紹介
MBAは資格ではなく「学位」。多くの経営者がMBAを取得する理由を解説!
MBAを取得する5つのメリットとは?年収・キャリアへの影響や活躍例
MBAは転職で有利?実際の市場価値や5つの成功パターンと注意点
MBAは「Master of Business Administration」の略です。経営学の大学院修士課程を修了すると与えられる学位で、日本語では「経営学修士」もしくは「経営管理修士(専門職)」と呼ばれます。
大学院の修士課程を修了した際は「経営学修士」の学位が、専門職大学院の専門職学位課程を修了した際には「経営管理修士(専門職)」の学位が取得できます。
MBAと混同されやすいものに「中小企業診断士」があります。どちらも経営学の全般的な知識を学ぶものです。両者の大きな違いは、MBAでは「学位」を取得することに対し、中小企業診断士では「国家資格」を取得するという点です。
また、MBAと中小企業診断士では、取得する目的も異なります。MBAを取得するのは主に、経営者や経営者視点をもったリーダーとして経営戦略について学び、意思決定できるようになりたい場合です。一方、中小企業診断士は主に、経営コンサルタントの立場で中小企業を支援したい場合や、社内の経営企画・戦略立案を提案できる広い視野がほしい場合に取得します。
学び方もそれぞれで異なります。MBAは、大学院でグループディスカッションなどを通してクラスメイトとともに学ぶことが一般的です。一方、中小企業診断士は、基本的に一人で資格試験に向けて学習します。
一般的にどの経営大学院(MBA大学院)でも共通して学ぶことは、経営資源の3要素である「ヒト・モノ・カネ」に関する知識やスキルです。領域で表すと、ヒトは「組織行動・人材マネジメント」、モノは「マーケティング・経営戦略・オペレーション」、カネは「アカウンティング・ファイナンス」に該当します。この3領域を体系的に修得し、論理的思考や問題発見・問題解決のスキルなどを養うことで、経営・ビジネスで生かせる実践力の体得が可能です。
どのような人材の育成を目指しているのかは大学院によって異なり、その大学院特有のカリキュラムも存在します。
MBAの具体的なカリキュラムについては、本記事の後半「MBAのカリキュラムは?教育手法は?どんな履修形式がある?」をご参照ください。
MBAは学位であり、修了時には修士号が取得できると冒頭でご説明しましたが、そのほかに非学位で経営学を学ぶ方法もあります。
たとえば、MBA入学準備プログラムとして開講されることの多い「PreMBA」では学位の取得はできないものの、一定時間の課程を修了すれば履修証明が可能です。
「MBAのプログラムを受講したいけれど、現状では長期間通うのが難しい」という方は、「MBA単科」と呼ばれるプログラムで、特定の領域を深く学ぶこともできます。MBA単科ではMBAのカリキュラムの一部科目のみを受講でき、後からMBA本科へ入学した時に単位として認定されます。
また、欧米で企業の社員研修として普及しているプログラム「Executive Education」も時間のない方におすすめです。「Executive Education」では短期間でMBAのエッセンスなどを学ぶことができ、修了時にはサーティフィケート(就学証明書)が授与されます。
欧米では1900年代から普及していたMBAですが、当時の日本では海外でMBAの学位を取得するのが常識とされていたため、国内MBAはあまり浸透していませんでした。
国内でMBAの普及が遅れた大きな理由の1つが、日本特有の制度である「終身雇用制度」です。日本では多くの企業が終身雇用制度を採用しており、経営人材は内部から年功序列で登用されるのが一般的でした。さらに、経営人材の育成は同企業内でジョブローテーションをしながら長期的に行うOJTが主流とされていました。そのため、社外で短期的に育成するMBAの需要は少なかったのです。
日本では、2017年ごろから「人生100年時代」を見据えた経済・社会システムの構想が進められています。個々人においても自分の人生が100年続くと考え、生き方、そして知識やスキルのアップデートが求められるようになりました。そうした背景からも、時間を有効活用しながら、ビジネスの視野を広げることができるオンラインMBAの需要が高まっています。
また、新型コロナウイルスの感染状況によって、いつ休校措置がとられるかわからない現状からも、オンラインMBAは今後ますます注目されていくでしょう。
本校(ビジネス・ブレークスルー大学大学院。以下、BBT大学院)では2005年の開学以来、15年間にわたり、オンラインで学べるMBAプログラムを提供しています。
BBT大学院のMBAプログラムはオンデマンド制のため、都合のよい時間に繰り返し講義動画を視聴できたり、情報収集や思考に十分な時間を割きつつテキストベースでディスカッションができたりする点が、他校にはない大きなメリットです。オンライン授業を長年研究・実践してきたBBT大学院だからこそ、効率のよいインプットと質の高いアウトプットを実現できます。
また、実務家教員が実体験を交えながら授業をするため、経営のアカデミックな側面だけでなく経営者としての心構えや組織の動かし方といったマインドの面も学べ、実践力を鍛えることも可能です。
国内の経営大学院が数多く設立され、MBAホルダー(MBA取得者)は増えているものの、国内MBAにはまだ課題もあります。
2003年の専門職大学院制度の創設から国内経営大学院の数は順調に増えていましたが、2008年以降はほぼ同数です。東京都などの都心部に集中して開校しているため、地方における経営人材の養成機能が不足しています。
【出典】文部科学省「経営系大学院を取り巻く現状・課題について」p.23
(最終アクセス:2020年8月26日)
地方にも経営大学院を設置したり、オンラインでMBAを取得できるプログラムを充実させたりすることで、地方の経営人材養成機能の不足を解消していく必要があるでしょう。
また、MBAには複数の認証機関があり、各認証機関が設けた審査基準によって世界中の経営大学院の認証・評価を行っています。
主な認定機関は、アメリカに本部があるAACSB(The Association to Advance Collegiate Schools of Business)、イギリスに本部があるAMBA(the Association of MBAs)、ベルギーに本部があるEQUIS(European Quality Improvement System)の3つです。
この「第三者による認証」が国際的なMBAにとっては重要とされていますが、日本では上記3つの認定機関による認証を受けている大学院が少ないという課題もあります。
国内で第三者認証機能を担っているのは、公益財団法人大学基準協会の「経営系専門職大学院認証評価」です。BBT大学院も「適合」と判定されています。(2020年8月時点)
MBAを取得する目的は一人ひとり異なりますが、どんな目的でMBAを取得したいと考える人が多いのでしょうか。
国内の経営大学院の修了生を対象に実施された調査*から、MBA取得の主な目的を探ってみましょう。
*【出典】株式会社工業市場研究所「国内外の経営系大学院及び修了生の実態並びに産業界の経営系大学院に対するニーズ等に関する調査」2016年度
(最終アクセス:2020年8月26日)
「経営系大学院への志望動機について教えてください」という設問に対し、国内の経営大学院の修了生は以下のように回答しました。
1位(約60%) | 企業経営に必要な一通りの理論や知識を得るため |
2位(51%) | 広い知見・視野を得るため |
3位(38%) | 実践的な知識を得るため |
また、「経営系大学院へ入学する際に、どのような人材になることを目指しましたか」という設問への回答結果は以下の通りです。
1位(51%) | ゼネラルマネージャー |
2位(39%) | 特定分野のスペシャリスト |
3位(36%) | イノベーション人材 |
調査対象者の半数以上が「企業経営に必要な一通りの理論や知識を得るため」そして、ゼネラルマネージャーとして活躍するために、経営大学院への入学を決めていたことがわかります。
経営大学院への入学目的は、多くの場合、MBAの取得目的と一致するものです。つまり、企業経営に欠かせない理論と知識の基本を身につけてゼネラルマネージャーになることを目指す方にはMBA取得がおすすめです。
さらに、「大学院に就学したときと、修了後(現在)の勤務先の変化」では、就学時と同じ勤務先で就業している人が約50%、転職した人が約20%という結果でした。
大学院で修得した知識・スキルを現在の勤務先で生かしたい方や、MBAの学位を活用して転職したい方が多いといえるでしょう。
就学時の業種別に見ると、サービス業では起業した方が約20%もいます。起業するためにMBAを取得する方も少なくないようです。
キャリアアップや転職、起業を考えている方にもMBA取得は適しています。
同調査では、”修了後に収入アップや昇進・昇級した”、”責任のある仕事を任せられるようになった”など、処遇の変化があったと回答する方もいました。MBAを取得した結果として、意図せずともこのようなプラスの変化が得られたケースもあるでしょう。
つまり、収入アップや昇進・昇給を目指す方にとっても、MBA取得が目標達成手段の1つになります。
入学直前の就業経験を問う設問では「勤務経験10年以上」という回答が60%を占めています。
前述したように、経営大学院で学べば経営・ビジネスに必要な知識・スキルの修得が可能です。
ビジネスの現場では、以下のような課題に直面します。
●勤務先だけで培った知識や経験では解決できない問題が増えた
●より高度な専門知識と論理的思考に基づいた実践力を備えたい
●急速に変わりゆく状況を的確に判断し意思決定することが求められている
現在から今後のビジネス現場における課題を解決したい方にとっても、経営大学院でMBAプログラムを学べる内容が役立ちます。
同調査における国内大学院修了生への「ビジネススクールへの就学動機」のヒアリング結果を見ると、さまざまな動機が挙げられています。
●キャリアチェンジを効率的に行うために、ビジネスに関する知識を一度、体系的に習得したかった
●アメリカの有名ビジネススクールのMBAを取得した社員が待遇などで優遇されているため、ビジネススクールや修士号という学位を意識するようになった
●新卒で就職した会社は金融機関では知識が足りず、取引先の考えやビジョンが把握できないことがあった。また、当時の金融関連業界は女性の地位がまだ低く、社会的地位の向上のためにも学歴を上げたいと思った
このように、さまざまなきっかけやモチベーションがMBA取得の目的になっています。
こちらの記事も参考になるので、チェックしてみてください。
日本国内のMBA大学院ランキングを紹介。海外との違いや特徴・選び方
MBAを取得する第一のメリットは、ビジネス・経営に関する体系的な知識を養ってスキルアップできることです。
先述のように、経営大学院では、ヒト(組織行動・人材マネジメントなど)、モノ(マーケティング・経営戦略・オペレーションなど)、カネ(アカウンティング・ファイナンスなど)の経営資源の3要素について体系的に学びます。経営・ビジネスで生かせる実践力を身につけるために、論理的思考や問題発見・問題解決、プレゼンテーション、ネゴシエーション、リーダーシップなどのスキルも磨いていきます。
先の調査*では、企業を対象にMBAを持つ社員に関する質問も実施しています。
設問: 国内の経営系大学院(MBA・MOTなど)を修了した経歴をもつ社員の方全般の知識・業務遂行能力は、同年齢・同役職の方と比較してどのように感じますか |
|
修了生のほうが優れている | 約30% |
ほぼ同等 | 約30% |
このように、MBAプログラム修了生に対する評価は企業によって分かれていました。
さらに、MBA・MOT(Management of Technology、技術経営)などの学位を取得している従業員が在籍している大企業に対して、以下の質問を行っています。
設問: それらの学位を取得した社員全般の知識・業務遂行能力は、同年齢・同役職の方と比較してどのように感じますか |
|
経営系大学院を修了した経歴をもつ従業員の方が優れている | 約36% |
ほぼ同等 | 約32% |
この結果から、MBAを取得しただけでは社内で評価されるわけではないことがわかります。ただし、40%弱の企業はMBAを取得した社員のほうが知識・業務遂行能力が優れていると回答しているので、大学院で学んだことを実務に応用できれば、社内の評価が上がるともいえるでしょう。また、学んだことをしっかり自分の業務へと還元できれば、昇進や収入アップにつなげることも可能です。
ただし、MBAホルダーというだけで就職・転職に有利になりやすいわけではありません。経営大学院での学びをどのように業務に生かしたか、今後生かせるのかが重要です。
MBAを取得すると転職で有利になることもあります。同調査では、情報通信業、金融・保険業、サービス業、製造業などでMBAホルダーの割合が高いという結果が出ています。これらの業種では特にMBAホルダーが求められているといえます。
加えて、MBAホルダー(国内大学院卒)が1名以上在籍している割合は、大企業17%、中小企業2%、外資系企業15%でした。中小企業に比べて大企業、外資系企業のほうがMBAホルダーの活躍の場が多いことがうかがえます。
ただし、MBAを取得しただけで昇格や昇給、起業に有利になるとは言い切れません。経営大学院での学びを実践で生かすことが、昇格や昇給につながる確実な道です。
人脈を広げる機会を得られることもMBAを取得するメリットです。
経営大学院には、企業勤めのビジネスパーソンだけでなく、社長や役員、事業家、会計士、政治家、医師など、さまざまな人々が通っています。講義やゼミナールに参加し、業界や業種、さらには国籍も多様な人々と討論を交わすことで、普段の仕事では知り合えないような人々と「仲間」として交流ができます。
卒業後に、こうした学生仲間がよいビジネスパートナーになることもあるでしょう。経営大学院では高い志をもった仲間と出会うことができ、自ら積極的に関われば貴重なビジネスのネットワークも築けます。
こちらのページでは、MBA大学院のメリットについて、「国内・海外MBA大学院の違い」
「対面・オンラインMBA大学院の違い」にも触れながら解説しています。
MBAを取得する5つのメリットとは?年収・キャリアへの影響や活躍例
また、こちらのページでは、国公立・私立、株式会社立ごとに、メリットを詳しく紹介しています。
日本国内のMBA大学院ランキングを紹介。海外との違いや特徴・選び方
MBAは「大学院」なので、予習復習やレポート、ディスカッション、発表などに、かなりの労力を要します。仕事をしながら学習する方の場合、勉強に多くの時間を割くのは難しいかもしれません。
ただし、仕事をしている人でも無理なく通学できるプログラムもあります。たとえば、国内経営大学院の多くは、平日に働いているビジネスパーソンに向けて、休日や夜間にパートタイムで授業を行っています。また、オンラインMBAの受講も選択肢の1つです。
パートタイム講座やオンライン講座の場合はMBA取得まで約2年間と、それなりの期間が必要です。時間をかけて徹底的に学べることはメリットですが、2年という長い期間がかかることをデメリットと捉える人もいるでしょう。
最短の1年間で取得を目指す場合は、会社を辞職したり休職したりして、全日制(平日フルタイム)の経営大学院に通う方法もあります。
国内MBAをフルタイムで取得する場合の費用として、入学金だけで30万~100万円、授業料は年額50万~200万円ほどかかります。パートタイムやオンラインのコースでも、一般的に上記の70~80%ほどの費用が必要です。さらに、勉強のために休職や時短勤務をする場合、収入が減る可能性もあるでしょう。
ただし、経営大学院では奨学金(免除型、給付型、返還型の3種類)や給付金制度も存在するので、制度をうまく利用すれば費用面のハードルを下げることも可能です。
BBT大学院では、独自の学費減免制度や奨学金制度のほか、日本学生支援機構の奨学金制度も採用しています。
MBAを取得すれば専門的な知識や仲間を得られることは事実です。しかし、MBAは学位であって資格ではないため、弁護士や税理士のような「独占業務」はありません。MBAを取得しても、具体的な昇給・昇進が保証されるわけではないのです。
MBAを取得するメリット・デメリットについては、こちらのページでも解説しているので、合わせてご覧ください。
MBAを取得する5つのメリットとは?年収・キャリアへの影響や活躍例
MBAは国内・海外の経営大学院で学修できます。ここでは、国内外の主要な経営大学院を5校ずつ紹介します。
国内の経営大学院
大学院名 | 所在地 |
名古屋商科大学大学院(名商大ビジネススクール)マネジメント研究科 | 愛知県/東京都/大阪 |
慶應義塾大学大学院(慶應ビジネススクール)経営管理研究科 経営管理専攻 | 東京都 |
早稲田大学大学院(早稲田ビジネススクール)経営管理研究科 | 東京都 |
京都大学大学院 経営管理教育部 経営管理専攻 | 東京都 |
神戸大学大学院 経営学研究科 現代経営学専攻 | 兵庫県 |
参考:日本国内のMBA大学院ランキングを紹介。海外との違いや特徴・選び方
海外の経営大学院
大学院名 | 所在地 |
スタンフォード大学経営大学院 Stanford Graduate School of Business |
カリフォルニア州スタンフォード/アメリカ合衆国 |
ペンシルバニア大学ウォートン・スクール The Wharton School of the University of Pennsylvania |
ペンシルバニア州フィラデルフィア/アメリカ合衆国 |
マサチューセッツ工科大学スローンマネジメントスクール MIT Sloan School of Management |
マサチューセッツ州ケンブリッジ/アメリカ合衆国 |
ハーバード大学経営大学院ハーバードビジネススクール Harvard Business School |
マサチューセッツ州ボストン/アメリカ合衆国 |
パリ経営大学院(アッシュ・ウ・セ・パリ) HEC Paris MBA |
パリ郊外/フランス |
「経営大学院」と「ビジネススクール」がどう違うのか、わかりにくいと感じたことはないでしょうか。日本と英語圏の国とでビジネススクールの定義が異なるため、混乱を招いています。
英語圏では経営大学院=ビジネススクールであり、MBAを取得できるコースがある大学院です。一方、日本での「ビジネススクール」はより広い意味で使われています。
日本国内でビジネススクールと呼ばれる学校は、ビジネス・経営について体系的に学び、MBAの学位を取得できる大学院に限りません。経営大学院に加えて、ビジネスに関する知識やスキルを学ぶセミナーやビジネス関連資格取得のための予備校などもビジネススクールと呼ばれます。
つまり、日本国内のビジネススクールのなかにはMBAを取得できない学校も含まれている点に注意しなければなりません。学校選びの際は、MBAを取得できるコースがあるか、よく調べておきましょう。
経営大学院への入学を希望する場合、まずは出願書類の提出が必要です。
書類の内容は大学院ごとに異なりますが、基本的に願書、エッセイ、推薦書、履歴書、成績・卒業証明書、証明写真などを提出します。エッセイのテーマには大学院への志望動機のほか、自身のキャリア、今後の事業計画やキャリアゴールについて、などがあります。
多くの大学院では書類審査の合否を出願書類によって総合的に判断した後、口頭試問や筆記試験を実施して最終的な合格者を選抜します。
経営大学院へ入学する難易度はどのくらいなのでしょうか。
さきほどの調査*によると、大学院への入学要件のうち志望者の評価・属性で重視する点は以下の通りです。
●1位:志望動機・学習意欲(94%)
●2位:個人の資質に関わる要素(論理的思考能力、創造性、コミュニケーション力等)(91%)
●3位:論文やレポートを書く能力(87%)
願書やエッセイなどの出願書類で志望動機や意欲をアピールし、面接でもしっかり伝えられるように準備しておきましょう。
海外の経営大学院へ出願する際には、英語スコアや英語のエッセイの提出が必要です。書類選考後は英語面接もあり、全般的な英語スキルが求められます。
こちらの記事では、国内MBAの難易度について「大学院入学まで」「入学後〜卒業(取得)まで」に分けて紹介し、また海外MBAを取得する難易度も解説しています。
【国内・海外別】MBA大学院の難易度は?入学〜卒業までの準備内容・費用も紹介
経営大学院のカリキュラムは、ヒト(組織行動・人材マネジメントなど)、モノ(マーケティング・経営戦略・オペレーションなど)、カネ(アカウンティング・ファイナンスなど)の経営資源の3要素を学ぶ科目を中心に組まれています。
経営大学院によって多少の違いはありますが、どの大学院でも扱っている基礎的な科目は以下の通りです。
●経営・戦略
●財務会計・ファイナンス
●事業・マーケティング
●思考・コミュニケーション
どのような人材の育成を目指しているのかは大学院ごとで違いがあり、その大学院特有のプログラムも存在します。大学院によっては、上記以外に「マクロ経済」や「イノベーション」「グローバル」などを扱うこともあります。
たとえば、BBT大学院では、「起業家精神研究」「スタートアップ期の財務論」「社会変革型リーダー特論」といった起業家精神を養うための科目や、スタートアップの実務に役立つ「プレゼンテーション技法」「ビジネスアイデア演習」「戦略的起業論」などの科目が組み込まれています。
経営大学院では、さまざまな教育手法を用いてカリキュラムを展開します。
主な教育形式は演習(セミナー)方式、講義(レクチャー)形式、個別の教育指導・研究指導、ケーススタデイ方式などです。科目や修得させたい知識・スキルに合った教育方法を用いることで、学習の効果を上げる工夫がなされています。
また、学生の評価は、修士論文やレポート、課題の提出率や内容、試験の成績、演習の質などから総合的に判断されます。修了要件として重要となるのは修士論文の評価です。
BBT大学院のオンラインMBAプログラムでは、独自の学習環境「AirCampus(R)」や独自の学習法「RTPCS(アールトックス)」を提供することによって、さらに深い知識を体得できます。
「AirCampus(R)」とはBBTが独自開発したオンライン学習プラットフォームです。「AirCampus(R)」利用によって、講義映像の視聴・ディスカッション・成果物提出やテスト・履修登録や教務部からの連絡確認などを好きなタイミングかつワンストップでできます。
「RTPCS」とは「Real Time Online Case Study」の略で、オンラインで行うBBT独自のケーススタディ学習です。現在進行形で答えが出ていない企業課題が毎週1テーマ、AirCampus(R)で出題されます。卒業までに約100テーマのRTPCSに取り組むことで問題解決力をしっかりと体得することが可能です。
本科の場合、1年を前期・後期に分け、1期ごとに履修科目を選択します。2年間での修了を目指す場合の履修スケジュールは以下の通りです。
1年次:ビジネス・経営の基礎から実践を学習
2年次:卒業を視野に入れて修士論文に向けた研究を開始(より専門的・高度な内容を学習)
2年制の大学院であっても在籍できる期間は2年以上あり、個々人のペースに合った柔軟な履修計画が可能です。
単科のコースでは、受講可能なMBAの科目から学びたい科目を選択して学習できます。単科で学修した科目は本科入学時に取得済みの単位として扱われます。
多くの方が働きながらMBAの取得を目指しています。経営大学院は「働きながら長期間(1年以上)通い続けられるか?」という視点で選ぶことが重要です。
たとえば、以下の点が基準になります。
●通学しやすい場所にある
●働きながらでも修学できる環境が整備されている
●学費が手頃
また、以下の観点から経営大学院を比較・検討することもできます。
●カリキュラムが充実している
●大学院の知名度が高い
●卒業生が活躍している
くわしくは、こちらの記事をご参照ください。
日本国内のMBA大学院ランキングを紹介。海外との違いや特徴・選び方
入学金や授業料は大学院によって異なりますが、一般的な学費の合計は300万~500万円ほどです。
国内のフルタイムMBAプログラムなら入学金が30万〜100万円、授業料が年額50万〜200万円ほどかかります。国公立大学の授業料は年額50万円程度、私立大学の授業料は年額150万~200万円程度が相場です。
海外のフルタイムMBAプログラムは学校によって学費に大きな開きがあります。たとえば、英ファイナンシャルタイムズ紙でオンライン経営大学院ランキング1位を獲得したウォリック・ビジネス・スクール(Warwick Business School)の学費(2022年度)は2年間で35,000英ポンド(約535万円相当/1GBP=152.78円の場合)です。一方、同ランキング2位のIE ビジネススクール(IE Business School)では、年額だけで約945万円相当かかります。
ただし、奨学金や学費免除制度、給付金制度などを利用して学費を軽減することも可能です。検討している大学院の学費や学費支援制度を利用できるのかを確認してみましょう。
経営大学院で重点的に学ぶ内容は、日本国内の大学院でも海外の大学院でも大差がないといわれています。しかし、国内では日本語の授業がメインであるのに対して、当然のことながら海外の大学院では英語が公用語です。
また、日本では働きながら経営大学院に通う方が主流なため、週末や夜間に授業があるパートタイム形式が一般的。一方、海外のMBA大学院の多くは全日制のフルタイム形式です。
海外経営大学院は学費もまちまちであり、国内の大学院よりも高額な場合もあります。たとえば、海外の大学院のなかでも学費が高いといわれるアメリカのハーバード・ビジネス・スクールでは、2年間の授業料は約14万ドル(約1,595万円/1米ドル=113.93円の場合)です。また、授業料以外には資料代や健康保険代などがかかります。在学期間は仕事を中断することになるので、滞在中の生活費も事前に準備しておく必要があります。
【出典】Harvard Business School「MBA – Annual Cost of Attendance」
(最終アクセス:2021年11月15日)
国内外の経営大学院を比較すると、1クラスの学生数や専門科目数なども異なります。海外の大学院を検討する場合は、国内の大学院を含め複数の国の大学院で比較してみると特徴が見えてくるでしょう。
海外の大学院に通うメリットは、多様な文化的背景をもつ人たちと議論できるため、より広い視野をもちながら学習を進められることです。
また、経営大学院の国際認証(AMBA、AACSB、EQUISなど)では、アメリカやイギリスなど英語圏の学校が上位を占めています。「どの学校でMBAを取得したか」もブランド力を持つため、MBAホルダーのなかでも抜きん出たいという方は、海外上位校への留学を検討してみるのもよいでしょう。
また、数年間、新鮮な環境下で集中的にビジネス・経済について学べるというメリットもあります。必然的に英語力を鍛えられることも海外の大学院の利点の1つといえるでしょう。
こちらの記事も合わせてご覧ください。
日本国内のMBA大学院ランキングを紹介。海外との違いや特徴・選び方
アメリカにはハーバード大学やマサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学など世界的に優れた経営大学院があり、MBAの取得が可能です。
イギリスではロンドン・ビジネス・スクールやケンブリッジ大学、オックスフォード大学が有名な経営大学院として知られています。
グローバル高等教育評価機関の実施する世界大学ランキングでは、フランスのINSEADやイタリアのルイージ・ボッコーニ商業大学、オーストラリアのメルボルン大学、シンガポール国立大学、香港科技大学なども上位です。
さらに、日本でもオンラインを活用して海外MBAのプログラムを受講することができます。ファイナンシャルタイムズ紙によるオンラインMBAランキング上位校を検討してみましょう。2021年度のトップ5は以下の通りです。
●1位:Warwick Business School
●2位:IE Business School
●3位:Imperial College Business School
●4位:University of North Carolina: Kenan-Flagler
●5位:Indiana University: Kelley
(出典:THE FINANCIAL TIMES「Online MBA Ranking 2021 – Business school rankings from the Financial Times」)
BBT大学院を運営する株式会社ビジネス・ブレークスルーでは、オーストラリアの名門私立であるボンド大学と提携を結び、「BOND-BBT MBAプログラム」を提供しています。本プログラムではオンライン学習とゴールドコーストにある大学でのスタディツアーを融合させ、1,000名以上の海外MBAホルダーを輩出してきました。
MBAを取得し、活躍している人にはどんな人がいるのでしょうか。
MBAホルダーの代表的な起業家をご紹介します(肩書きは2021年11月現在のものです)。
株式会社ディー・エヌ・エーの創業者であり、同社の代表取締役会長を務める南場智子氏。1986年にマッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパン入社し、1988年、マッキンゼー日本支社を退職後。その2年後にMBAを取得しています。
三木谷浩史氏は楽天株式会社の創業者であり、同社の代表取締役会長兼社長 最高執行役員です。1988年に株式会社日本興業銀行(現株式会社みずほ銀行)入行。その後、1993年にMBAを取得しています。
海外では、ナイキの創業者として知られるフィル・ナイトや、大手総合情報サービス会社ブルームバーグを設立したマイケル・ブルームバーグなど、多くの起業家がMBAを取得しています。
経営者まで広げると、欧米の大手企業では約4割ものCEOがMBAホルダーだといわれています。
2019年から施行された「働き方改革」、そして2020年に出現した新型コロナウイルスによって、会議や授業などのこれまでオフラインで行われていたことが、次々とオンラインで実施されるようになりました。
経営大学院も例外ではなく、「オンラインMBA」というMBAの新しい取得方法が注目されています。
一般的に、オンライン授業には地理的・時間的な制約がないといったメリットが挙げられます。一方で、教員による一方向の授業になりがちだったり、一人で学習する分モチベーションが保ちづらかったりといったデメリットもあります。
オンラインMBAの多くは、通学がメインでオンラインでも学べるプログラムです。教室で行う授業をライブ配信で同時に受講するため、オンラインであっても時間的な拘束があります。それに対し完全オンラインで展開するBBT大学院では、講義がオンデマンド式なので時間と場所の制約がなく、より自分の都合に合った学習が可能です。
BBT大学院は、2005年にオンラインで学べる専門職大学院として開学し、オンラインMBAの先駆者として約15年間にわたる知見と実績を重ねてきました。BBT大学院独自のメソドロジーによって、オンライン授業のデメリットといわれる授業のコミュニケーション面やモチベーション維持などの「壁」を克服。さらに、オンライン授業のメリットを最大化することで、効果的な学習を提供しています。
オンラインMBAの最大のメリットは、前述のように場所の制約から解放されることです。
これまでMBA取得のハードルとなっていた働きながらの通学は不要。自宅や職場の近く、カフェやコワーキングスペースなど、都合のよい場所で受講できます。
近くに通える大学院がない方だけでなく、多忙な方や効率的に学びたい方にとっても、いつでも、どこでも学習できることは大きな価値となります。
ディスカッションは対面でないと難しいと思われがちですが、ITの発達により、リモートとリアルの差は小さくなってきました。たとえば、テレビ通話を使えばリアルタイムのディスカッションが可能です。あるいは、オンラインの掲示板を使ってテキスト形式での議論もできます。
オンラインの掲示板を活用すれば、伝えたいことをしっかりと整理してから書き込むことができるため、アウトプットの質が高まる点もメリットです。思考力や書く力はテキストでのディスカッションで磨かれます。
オンライン学習全般にいえることですが、ネットワーク環境が整っていないと受講できない、映像や音が乱れるといった点はデメリットです。また、基本的なパソコンスキルがないと学習の障壁となってしまいます。
さらに、オンライン学習のデメリットとしては、モチベーションを保ちづらい点も挙げられます。オンライン学習では教員やクラスメイトとのコミュニケーションがとりにくいと思う人もいるでしょう。
●完全オンラインならではの利点
BBT大学院は、独自の遠隔教育システム「AirCampus(R)」を活用し、オンライン学習の障壁を乗り越え、メリットの最大化を図る工夫をしています。
完全オンラインのため場所の制約がないのはもちろん、講義はオンデマンド式の動画なので時間の制約もなく、好きなタイミングで何度でも理論や知識のインプットが可能です。
講義動画の視聴だけでなく、教員や教務スタッフ、TA(ティーチング・アシスタント)とのやりとり、学生同士でのディスカッション、履修登録、レポート提出など、学習に関することはすべてAirCampus(R)上で行えます。
評価の基準は、授業への参加率や発言内容・提出物の質などです。講義をしっかり視聴しているかは、映像の途中で学生に視聴認証をしてもらうなどして確認しています。
掲示板で行われるディスカッションにおいて重視する点は、発言数よりも発言の質です。発言の質は、返信率の高さ(議論への好影響)や新しい視点があるか、議論に広がりを与えたかなどで判断します。
MBAでは、「教員から学ぶ以上に学生同士のディスカッションで学ぶ」といわれるほど、ディスカッションを重視しています。
しかし、対面でのディスカッションでは、その場の空気によってわかった気分になったり、声が大きい人の意見に押されたりと、深い議論の妨げとなる要因が存在します。熟考するタイプであれば、時間内に発言できず、せっかく質の高い意見をもっていても評価されないかもしれません。
●深い学びにつながるテキストベースのディスカッション
BBT大学院では、ディスカッションを重要視しているからこそ、テキストベースのディスカッションを採用しています。
テキストベースであれば、他人の意見を読み、よく考えてからの発言が可能です。多くの大学院では掲げたテーマについて授業時間内に議論を終了させますが、BBT大学院では1テーマの議論期間が約1週間あるため、自分のペースでじっくり思考したうえで発言し、深い議論を繰り広げられます。情報収集にも時間をかけられるので、ファクトベースの意見の発表が可能です。
また、オンラインでのコミュニケーション全般で求められる「簡潔に書く力」も、このディスカッションを通して養われます。
ディスカッションのルールやコツについては、教務スタッフが事前のオリエンテーションやガイダンスで伝え、就学中も常時サポートやフォローを行っています。
こうした深いディスカッションやミーティングを重ねることで、クラスメイトとの密なコミュニケーションが可能です。
モチベーションの維持・向上については、教務スタッフが丁寧に進捗フォローを行い、学習サポートやアドバイスをしています。教務スタッフは、一人ひとりの学生の受講の進捗や発言頻度などを日々確認し、名前を覚えてしまうくらい常に気にかけています。通学制以上に教務スタッフが身近な存在として伴走してくれる点も、BBT大学院の魅力です。
●経営に必要なスキルが磨かれるBBT独自のケースメソッド
ケーススタディにも特徴があり、RTOCS(アールトックス)と呼ばれるBBT独自の教育メソッドを導入しています。
RTOCSは「Real Time Online Case Study」の頭文字を取った言葉で、過去の事例ではなく、今まさに起こっている事例について、「自分が経営者やトップだとしたら?」という視点で将来を予測し、具体的な戦略を考えるケーススタディです。
毎週、新しいケーススタディに取り組み、在籍中の2年間で合計100回もの思考訓練を重ね、経営者視点や変化に強い対応力と問題解決力を徹底的に鍛えます。
RTOCSは大前研一学長の担当科目で実施しています。提出締切日には「大前研一LIVE」という世界の1週間のニュースを大前学長が解説する番組が講義映像として配信され、そのなかで大前学長がテーマに対して出した「結論」を発表します。
過去事例ではないのでいわゆる「正解」はなく、大前学長の出した結論が正解というわけでもありません。大前学長がどのようなプロセスで結論を導き出したのか、情報の見方や問題を解く視点などを知り、さらに学びを深めます。
大前学長やほかのクラスメイトが出した結論を自分のものと比較し、どこに違いがあったのかを考え、振り返りの投稿をすることで1つのケーススタディが完了するのです。
これまで取り組んだテーマでは、誰もがよく知る大企業から急成長を遂げているベンチャー企業やユニコーン企業まで、さまざまな会社を取り上げています。また、企業の社長になるだけではなく、地方自治体や国をテーマとして取り上げ、首長や大統領になることもあります。
BBT大学院は15年以上の月日のなかでオンライン学習の知見を蓄積し、オンラインMBAのパイオニアとして試行錯誤を重ねてきました。その結果、毎年高い受講生満足度と修了率を出しています。
BBT大学院の修了生(卒業生)は1,300名以上。オンライン教育形式のため、日本だけでなく欧米やアジアなど世界各地に卒業生がいます。
入学当時の修了生の年齢も20代から60代以上までと幅広く、業種や職種も多岐に渡ります。また、卒業後に起業する修了生も多数です。
修了生のリアルな体験談を読むことで、大学院に通うイメージがより具体的になるでしょう。「ROLEMODELS」では、性別/文系・理系/入学当時の年代/業種や職種・役職/学ぶ目的などの詳しい条件から自分と属性が近いBBT大学院卒業生を探せます。入学前や在学中、卒業後についてのインタビューを読めるので、ぜひ、ご活用ください。
掲載されているBBT大学院卒業生は341名(2020年8月現在)のなかから、将来の自分の道標となるロールモデルが見つかるかもしれません。
ビジネスリーダーには経営の深い知識だけなく、難しい課題を解決して結果を出す力量や高い人間力(EQ)、企業倫理観なども求められます。BBT大学院では、「使えるMBA」を取得してもらうために、こうした知識やスキルを身につけ、学んだ内容を使いこなせる力の養成に焦点を当てています。
自らを成長させる必要を感じている方、次のステージへの突破を図る方を応援するBBT大学院で、ともに学びませんか?
少しでもご興味がありましたら、どこからでも気軽に参加できるオンラインの説明会に、ぜひお申し込みください。↓↓