執筆:佐藤祐樹(BBT大学院MBA本科修了、三丸化学株式会社 取締役)
対象科目:マーケティング概論(数江 良一 教授)
今回はこれまでのおさらいとちょっとしたコツをお話ししようと思います。
●ざっくり①:マーケティングとは売れる仕組みを作ること
企業がやることは、イノベーションとマーケティングだけです。
マーケティングとは売れる仕組みを作ることで、究極の目的は販売活動さえなくしてしまうことです。
●ざっくり②:マーケットとは見込みのあるところ
市場とは、その製品やサービスを知らない人や組織も含めた、見込みのあるところです。
靴を履く習慣がない人でも、靴メーカーにとっては魅力的な市場です。
●ざっくり③:セグメンテーションは切り口が勝負!
セグメンテーションとは、ある切り口で丸いピザを各セグメントに切り刻むものです。
切り刻んだあとも、組み立てればもとの丸いピザに戻るよう、ヌケやモレをなくさなければなりません。
●ざっくり④:強みと規模と可能性を活かしてアタックしよう!
ターゲティングとは、どのセグメントにアタックするか決めることです。
自社が強みを発揮できるセグメントを狙うべきでしょう。
●ざっくり⑤:ポジショニングは4Pである!
狙ったセグメントに対してどのような態度で挑むのかがポジショニングです。
ポジショニングは4P、マーケティング戦略そのものです。
ペルソナを設定して、その人にどうリーチするか考えるとうまくいきます。
これまで、STP、最後のPは4Pに分解して考えてみよう、それにはペルソナが便利だよ、と、順番に解説してきました。
「S」→「T」→「P(=ペルソナ設定→4P)」
こんな順番です。
これらのフレームワークはマーケティングの基本中の基本ですが、最後に使いこなすコツをお話しします。
このフレームワークは、順番通りに考えるのに向いているものですが、不可逆ではありません。
むしろ、行ったり来たりしながら仮説検証を繰り返すものです。
一旦、この4Pで勝負だ!と決めても、なかなか成果が出ないかもしれません。
それなら、このポジショニングを変えてみようかな?と、まずはターゲティングから見直します。
ターゲティングするセグメントがぴんとこなければ、もしかしたらセグメンテーションの切り口が間違っているかもしれない、と考え、切り刻み方を見直してみます。
このように、SとTとPを行ったり来たりしながら、試行錯誤するのがマーケティングです。
「S」⇔「T」⇔「P(ペルソナ設定⇔4P)」
こんな感じで、行ったり来たりして、常に修正を加えましょう。
ざっくりすぎるくらいざっくりとしたマーケティング解説、今回が最終回。
マーケティングは奥の深い世界ですが、入り口はとても広く、誰でもウェルカムです。
この楽しい世界に軽やかにダイブしてほしい。
そんな気持ちで、マーケティングの専門家にいろいろ突っ込まれそうな内容をお届けしてきました。
マーケティングとは売れる仕組みを作ることです。
つまり、営利団体である会社という組織でマーケティングをするということは、その会社の経営をする、ということです。
マーケターとしての視点は、経営者の視点です。
あなたが所属する組織が、あなたという優秀なマーケターのおかげで力強く成長を続けていくことを祈っています。
佐藤祐樹
BBT大学院MBA本科 修了 三丸化学株式会社 取締役事業部長
1974年生、宮城県仙台市出身。
大学でデザイン(専門はシルクスクリーン)を学んだ後、写真業界、出版社勤務を経て現企業に転職。営業・マーケティング部門で活躍中、2011年3月に出張先で被災。
その後2年間、企業勤めの傍らボランティアセンターの運営に携わる。
2013年にBBT大学院に入学、2015年MBA取得、同年取締役事業部長に就任。事業活動の責任者としてマーケティングから人事まで幅広く担当している。
また、2015年10月に友人とコーヒーの焙煎販売を行う株式会社リュミヌー珈琲を設立。
その他、コピーライターや事業計画作成支援、大学の補助教員などのフリーランス業務も行う。
「世の中の幸福の総量を力強く増やす仕事人」を目指す愛犬家。愛犬を連れてよく遊びにも行く。
趣味は手作りスモークチーズなどの燻製を作ること。