MBAダイジェスト 2020年4月23日

RTOCS(2)RTOCSの進め方1~毎週のお題発表から情報収集まで~

『MBAダイジェス』シリーズでは、国内初・最大級のオンラインMBAである「BBT大学院」、ならびに2つの国際認証を持つ「BOND-BBT MBAプログラム」の修了生が、両校で学ぶMBA科目のエッセンスをまとめ、わかりやすく紹介していきます。将来的にMBAの取得を検討している方や、MBAの基礎知識をインプットしたい方はご活用ください。


 
執筆:村西重厚(BBT大学院MBA本科修了、データ・サイエンティスト株式会社 エグゼクティブ・ディレクター)
対象科目:RTOCS(大前研一 学長)

これから4回に分けて、「RTOCS(Real Time Online Case Study)」への取組み内容について、
①お題発表-情報収集
②分析
③本質的問題の発見-解決策の立案
④提出資料の作成-学長回答との比較
という流れでご説明していきます。

今回はお題発表から情報収集について、ご紹介します。

日曜日の夜からスタート

RTOCSのお題は、毎週日曜日の夜22時頃に発表されます。

例えば、過去のお題の一例を挙げると、

あなたが「ABCマートの野口実 社長」ならば、「国内1000店の壁」が立ちはだかり成長に陰りが見えるとも言われる中、次なる成長の一手をどう描くか?

などという形で出題されます。

この様に、RTOCSのお題は、

「組織名」+「リーダー名」+「何らかのテーマ」

という形で発表されます。

テーマ設定がされているということは、今まさに起こっている状況に対して、自分がリーダーなら、どの様な取組みをするのか?を考えるわけです。

最初にお題の意味を読み取るところから、RTOCSは始まります。お題から解決策のヒントを見いだせるかもしれません。

まずはWEBで情報収集

お題が出たら、まずは情報収集からです。情報収集の初期段階は、WEBを活用するとよいでしょう。
最近の検索はほぼキーワード検索が主流です。そこで様々な検索テクニックに通じていると、効率の良い情報収集ができます。お題として取り上げたテーマについて様々な角度から調べることになります。

ここでいくつか便利な検索TIPSをご紹介します。

例えば、WEBには多数のPDFファイルが掲載されています。説明会やプレゼンなどで使用したファイルはそのままPDF化してアップロードされており、そのような情報は専門性が高く、有益な場合が多いです。

この例えば靴専門小売市場について分析したPDFファイルを探したい時は、検索ウィンドウに“Filetype:PDF 靴専門小売市場”と入力します。すると、PDFファイルだけが検索結果に表示されます。

また、画像検索も有効な検索手段です。
例えば「靴専門小売 売上高」と入力し、画像検索結果を表示して下さい。すると、靴専門店の売上高に関する記事で使われている画像が表示されています。これらの図をざっと見るだけで、売上高の傾向などが掴めると思います。そこから、有益なレポートを発見できることもあるでしょう。

この様に、まずはWEB検索を駆使して情報収集を行います。

あくまで「ファクト」を探すという視点で

BBTの大学院ではこのRTOCSに限らず、必ず「ファクトベースによる議論」が求められます。ファクトベースとは、自分の思い込みでは無く、「事実」に基づくということです。

WEB情報は、その真贋について保証されたものではありません。きちんと検証されないままに公表されているニュースも多く存在しています。最近では「フェイクニュース」という言葉を聞いたことがあるでしょう。注目を集めるために、事実ではないセンセーショナルなニュースが掲載されていることもあります。

では「ファクト」であることは、どの様に確認すればよいのでしょうか。これはできるだけ「一次情報」に近いものを探すことです。
例えば企業の業績であれば、その企業のサイトで公表されているものが最も信憑性が高いでしょう。Wikipediaに掲載されている情報を鵜呑みにせず、情報の上流に遡って確認する習慣を身につけましょう。

可能であれば自らサービスを体験

今回のお題のようなコンシューマー向けのサービスの場合、WEBでの情報収集だけでなく、自分自身でサービスを体験してみることも重要です。

靴専門店の場合、全国に店舗が多くあります。自宅や職場の近くにある店舗に行ってみるのも良いでしょう。既に利用中の場合はスタッフや他のユーザーにインタビューをしてみるのも良いかもしれません。

このようにして自らサービスを体験し得た情報は、貴重な一次情報です。その中で得た気づきが、解決策へのヒントになります。

さまざまな方法で収集した情報をエアキャンパスに投稿

未知の業界や専門性が高いテーマの場合は、専門書を購入したり、図書館で書籍を借りることもあります。書籍は、電子形態にしろ、紙にしろ、1つのテーマについて詳しく説明をしているため、有益な情報となりえます。

このようにして、RTOCSでお題が出た後、始めの数日間は、WEB、体験、書籍などを通じて関連情報の収集に励みます。

実際のBBT大学院生は、収集した情報をエアキャンパスに投稿し、クラスメートと情報共有をします。

このようにして収集した情報を整理し、自分なりの分析を進めます。

次回は分析フェーズに進みましょう。


<< 第1回へ   第3回へ >>

村西重厚

BBT大学院本科 修了生
データ・サイエンティスト株式会社 エグゼクティブ・ディレクター
一般社団法人起活会 代表理事
1972年 兵庫県神戸市出身
工学部機械科卒業後、メーカーで生産技術部門に従事。
その後、営業部門を経て新規事業部門でWEB事業を立ち上げる。
新規事業の立ち上げ時に経営知識の必要性を感じ、2013年にBBT大学院に入学。
2015年MBA取得。MBA取得後、ベンチャー企業に転職し、営業、マーケティング、資金調達などに携わる。
2017年より、検索ビッグデータ分析を元に企業戦略の立案・推進に携わる一方で、一般社団法人起活会を立ち上げ、起業家支援を行っている。
趣味は登山、クライミング、ギター。

※BBT大学院MBAプログラムの受講体験談はこちら