社会人としてある程度の経験を積んでから、キャリア形成やスキルアップなどの理由で、MBAの取得を考える人は多いです。仕事をしている社会人がMBAを取得することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?「仕事を続けながら可能か」「どの程度の期間がかかるのか」などの点を含め、詳しく解説します。
まずは社会人にも注目されるMBAについて、簡単に紹介していきます。
MBAとは、経営学修士(Master of Business Administration)を指します。ハーバード大学経営大学院(ハーバードビジネススクール、Harvard Business School)のカリキュラムが、MBAの基礎となっているとされています。欧米で活躍する多くのビジネスエリートが取得する人気の学位です。
近年の日本でも注目され、多くの社会人が海外や国内のMBA大学院に入学しています。
MBAは国家資格や検定ではなく「学位」です。MBAカリキュラムを扱う経営大学院(ビジネススクール)で取得できます。
現役の大学生がストレートで進学して取得する場合もありますが、社会人経験のある人が取得するケースが多いです。海外留学してMBA取得を目指す人もいますが、国内の大学院でもMBAカリキュラムを扱っています。完全オンラインでの取得も可能です。
関連記事:MBA(経営学修士)とは?科目・取得方法やメリット・注意点と大学院の選び方
仕事をしている社会人がMBAを取得するメリットは何なのでしょうか?ここでは3つのメリットを紹介します。
社会人がMBAを取得するメリットは、MBAを取得するまでに大学院で学ぶ「知識」を、その後の仕事で活用できる点です。
MBAカリキュラムでは、リソース管理・マーケティング・統計・経済など、経営全般の専門的な知識を学びます。幅広い分野・部門に精通し、経営のトップとしてビジネスを「俯瞰的」に捉えられるようになる学習内容です。
ビジネスの現場で役立つ、強力な「武器」となる知識を身につけられます。
MBAを取得することで、自身の「市場価値」が高まり、キャリアアップや収入アップが期待できるメリットもあります。
MBAは、社内での昇格や、よい条件での「転職のしやすさ」につながる要素です。業種にとらわれない「ビジネス全般」に応用できる内容を学ぶため、未経験の業種に転職する際にも役立ちます。
また「収入」についてもMBA取得者は、取得していない人と比較して高くなる傾向です。
転職情報サイトの調査によると、「MBA非保持者」の平均年収が「689万円」であるのに対し、「MBA保持者」の平均年収は「915万円」と、200万円ほど高い水準にあります。
「MBAを取得している」ことを上手く活用すれば、自身のキャリアにプラスの効果が期待できるのです。
MBA取得を通じて知り合った人との「人脈」を得られることも、大きなメリットです。
MBAを目指す人の多くは、ビジネスに対する高いモチベーションやスキルを持っています。海外の有名校はもちろん、国内のMBA大学院も同様です。
クラスメートが卒業後に大きく活躍することが多いという点も、重要なポイントです。そのような人脈を通じて、新たなビジネスへの参画に誘われることも期待できます。
MBA大学院には、普通に仕事をしているだけでは得られないような人脈を得るチャンスがあります。
仕事と両立しながらMBAを取得するためには、次の2つの方法があります。
●夜間・フレックス制の学校を利用する
●オンラインスクールを利用する
それぞれの方法について紹介していきます。
夜間制・フレックス制の大学院なら、仕事を続けながらMBAを取得できます。
夜間制・フレックス制は、フルタイムで学習する「全日制」と比べて時間帯の自由度が高く、仕事を続けながらでも取得しやすいコースです。
社会人が入学することも多いMBA大学院では、夜間制・フレックス制のコースを設定していることが多いです。
例えば、国内では以下の夜間制・フレックス制コースでMBAを取得できます。
●早稲田大学大学院(早稲田ビジネススクール)経営管理研究科 夜間主
●青山学院大学大学院(青山ビジネススクール)国際マネジメント研究科 イブニングコース
●東京都立大学大学院 経済経営学部・経営学研究科 経営学プログラム
●一橋大学大学院(一橋ビジネススクール) 経営管理研究科 経営管理プログラム
オンライン制のMBA大学院でもMBAを取得できます。
完全オンラインで授業を履修し、オンデマンド動画やチャット機能で効果的に学習できるMBA大学院は、国内にいくつかあります。本校ビジネス・ブレークスルー大学大学院(BBT大学院)もその1つです。
教室へ通う時間や費用がかからず、オンラインでどこからでも学習できるので、社会人が仕事と両立しながらMBA取得する場合に適しています。
社会人がMBA取得までにかかる期間は、どこでMBAを取得するかで異なります。ここでは、次の3つのケース別に紹介します。
●海外の大学院を目指す場合
●国内の大学院を目指す場合
●オンラインスクールの場合
海外の大学院の多くは毎年「9月頃」に1回目の申請が始まり、「翌年9月」に入学するスケジュールです。卒業までにかかる年数は、コースによって1年制と2年制の2種類があります。
試験勉強として必要な項目と、準備期間の目安は以下の通りです。
●GMATスコア:1年
●TOEFL/IELTSスコア:2年
●小論文・エッセイ:半年
「GMATスコア」と「TOEFL/IELTSスコア」の勉強は特に時間がかかります。英語や経営学などの基礎がない場合、勉強期間として2年は見ておきましょう。
仕事をしながらどのように勉強時間を確保するかがポイントで、GMATは土日などを利用して毎週6時間、英語は毎日1~2時間ほどの勉強時間が確保できれば理想です。
「小論文・エッセイ」は、内容のクオリティを上げるため「カウンセラー」にサポートしてもらう必要があります。ほかの勉強と並行して準備を進め、遅くとも申請の半年前には準備をスタートしましょう。
国内のMBA大学院は「9月~10月頃」に申請して、「翌年4月」の入学が一般的ですが、一部の大学院では9月にも入学日があります。卒業までにかかる年数はコースによって異なり、1年制と2年制の2種類があります。
試験勉強に必要な項目として、以下の2つがあります。
●小論文・エッセイ:1年
●英語・TOEICスコア(一部の大学院のみ):2年
海外MBAとの違いは、小論文が「筆記試験」として出題されることです。学校によっては海外MBAと同じように、筆記試験ではなくエッセイとして小論文を事前に作成して提出することもあります。
国内MBAの場合、英語のスキルは問われない学校が多くありますが、英語の筆記試験やTOEICスコアが必要な学校もあります。
英語の勉強が不要な場合でも、小論文の勉強期間として「1年間」は必要と見ておきましょう。GMATと同様、土日などを利用して毎週6時間ほどが目安です。
オンラインのMBA大学院の場合、年に3~4回の募集が行われます。どのタイミングで応募しても、基本は4月入学です。オンラインの場合も、1年制か2年制かを選択できます。
必要な勉強項目は、以下の通りです。
●小論文・エッセイ:半年
オンラインのMBA大学院の場合、事前に作成して提出する「小論文・エッセイ」が必要です。海外MBAと同じように、遅くとも申請の半年前には準備をスタートしましょう。
自身がビジネスパーソンとしての「優れた資質」や「明確なビジョン」を持っていることを、小論文や面接でいかにアピールするかが合否に大きく影響します。これはどの学校でMBA取得をする場合でも同様です。
単なる暗記ではなく、「ビジネスのスキル」を磨く準備を心がけましょう。
関連記事:オンラインMBAの特徴・費用と日本・海外のおすすめMBA大学院
社会人のMBA取得に利用できる奨学金や給付金がいくつかあります。主な種類は以下の4つです。
●学校独自の奨学金
●日本学生支援機構の奨学金
●民間団体の奨学金
●教育訓練給付金
学校ごとに特色のある「学校独自の奨学金」が利用できることがあります。志望校が決まった段階で確認しておきましょう。
現役学生も利用することの多い「日本学生支援機構の奨学金」は、社会人でも利用できます。国内のMBA大学院に進学する場合はもちろん、海外留学も対象です。
さらに、海外留学が対象の「民間団体の奨学金」がいくつかあります。「教育訓練給付金」は、志望校が対象に指定されている場合に利用可能です。
奨学金・給付金については、下記の記事で詳しく紹介しています。
【MBA・ビジネス用語】MBA取得に使える奨学金・教育ローン・教育訓練給付制度について
最後に、社会人がMBA取得を目指すうえでの2つのポイントを紹介します。これらに留意して、MBA取得を目指しましょう。
試験勉強や準備の計画には余裕を持たせることが重要です。
MBAの申請期限や試験日から逆算して勉強に必要な期間を割り出し、スケジュールを立てましょう。
現状の英語スコアや経営学の知識量によって、必要な勉強時間は変わってきます。仕事をしながらMBAを目指す社会人の場合、「勉強に割ける時間の量」によっても違ってくるでしょう。
スケジュールを立てる方法について詳しくは下記の記事を参照ください。
いつから始める?MBA取得までのスケジュールと準備期間の目安
あらかじめ「卒業後のキャリア計画」を立てておくことも重要です。
具体的な計画やビジョンがあれば、目的意識を持った勉強ができ、入学後のディスカッションやグループワークも有意義なものにできます。
合否を左右する「面接」「小論文・エッセイ」「研究計画書」の内容を充実させるためにも、卒業後のキャリア計画が重要です。
MBA取得によって何をしたいのか、卒業後はどのような活躍をしたいのか、具体的なプランを立てておきましょう。
社会人が仕事を続けながらMBA取得を目指すために、「オンライン制のMBA大学院」は利便性が高いといえます。
オンラインで効率的に学べることはもちろん、英語スコアや筆記試験の対策が不要で、入学までの準備期間が比較的短く済むことは大きなメリットです。
本校BBT大学院は、参加型ケーススタディやチャットによるディスカッションなど、オンラインでも充実したカリキュラムを提供しています。学生の80%近くが30~40代で、50代以上の学生も16.3%と多く、実務経験がある社会人が学ぶのに適した大学院です。
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