株式会社KADOKAWAに勤務する石堂さん。新卒で入社した後、書籍や雑誌の編集に携わっていましたが、営業企画局への異動をきっかけにリーダーシップについて学びたいと考え始めました。
そこでまず、リーダーシップ・アクションプログラム(以下、LAP)に参加。その後、ビジネス・ブレークスルー大学院(以下、BBT大学院)に入学しました。
仲間と学び自分で人生を切り開く力が身についたと語る石堂さんに、入学のきっかけから印象に残っている授業、LAPやBBT大学院での学びをどう仕事に活かしているかまで伺いました。
石堂 佐紀(いしどう さき)さん
2015年5月リーダーシップ・アクションプログラム受講開始。2015年4月修了。2016年10月ビジネス・ブレークスルー大学院(以下、BBT大学院)入学。2019年9月修了。修了時46歳。インタビュー時49歳。株式会社KADOKAWA 営業企画局特販部特販課(2023年1月現在)。
――石堂さんがBBTと出会ったきっかけを教えてください。
私は同志社大学卒業後、株式会社角川書店(現・株式会社KADOKAWA)に入社しました。最初は書籍の編集を担当し、3年後に雑誌の編集部へ異動して『ザテレビジョン』や『東京ウォーカー』を担当しました。出版業界は90年代後半からずっと市場が縮小し続け、当社も雑誌編集部は縮小。40歳頃に営業企画局特販部特販課へ異動になり今に至ります。
私は学生時代サッカーをやっていたので体力には自信があったものの、入社以来ずっと編集の仕事をしていたので営業の仕事は何もわかりませんでした。ただ、雑誌の営業を中心に残業もいとわず頑張ったところ、前年を超える売り上げを出すことができました。一方で当社は上場を見据えて社内の労働環境を整えつつあり、それまでの働き方では結果を出せなくなってきました。そこで壁にぶつかってしまったのです。
――その時感じた最も大きな壁は、何でしょうか?
個人だけでなく、組織で目標を達成することです。私は雑誌の編集部に長くいたので、雑誌の編集部にはコネクションもあり、おかげで結果を出すことができました。しかし、そうではない他のメンバーが私と同じ方法で結果を出せるかといえば、できません。組織として目標を達成する方法をものすごく考えましたが、経験値で乗り越えるには限界があると感じ、これはプロに教えてもらうしかないと思ったのです。そこでいろいろと調べていくうちにLAP (リーダーシップ・アクションプログラム)にたどり着き、「これだ!」と思いました。
――どんな点に魅力を感じましたか?
リーダーシップについて学べる点ですね。大学時代、私は全国トップレベルのサッカー部に所属しており、そこは練習中や試合中は厳しい言葉を言い合う世界でした。編集部も同じような世界だったので、入社後もそのまま厳しい言葉を使っていました。
ところが営業企画部に異動したところ編集部よりも働き方がホワイトで「ぬるい」と感じ、サッカー部や雑誌の編集部にいた時の文化を持ち込んでしまいました。周りに厳しい言葉をぶつけてしまっていたため「結果は出すけど、あいつはちょっと……」と言われるようになり、人を引っ張ることができませんでした。そのような現状を変えるべく、リーダーシップを学びたいと考えるようになりました。
またリーダーシップに魅かれたのは自分の体験だけでなく、当時NHKで『リーダーシップ白熱教室』という番組を放映しており、キング牧師やケネディ元大統領がどのように人を導くかを紹介していました。その影響もありますね。
――ご自身の課題解決につながると感じてLAPを選ばれたのですね。
はい。BBT大学院への入学も見据えていましたが、私は大学時代理系の学部に通っていたので、経営について何も知りませんでした。そこで、まずはLAPに行こうと決めました。ただ、運営している企業の会長が大前研一さんと聞いて、正直ついていけるかわからず「怖いなぁ」と思っていたのが正直なところです(笑)。
しかし当時私は40歳を過ぎた頃で、この先の長い社会人生活を考え「踏み込んでみよう」と決意しました。同時に、問題解決力トレーニングプログラムも受講しました。
――実際に受けてみた感想をお聞かせください。
とても面白かったですね。問題解決力トレーニングプログラムは最初、自分にできるか不安でした。でもプログラムを受講する中で経営のロジックを理解し、「いろいろな経営課題を解決できそうだ」と実感しました。
経営は編集の仕事に似ているとも感じました。『東京ウォーカー』で焼き肉店の情報を調べて傾向を分析していた時のように、さまざまな情報を集めて組み合わせて経営課題を解決する過程を面白いと感じました。先生が結構ほめてくれるのも嬉しかったですね。
リーダーシップに関しても、先生が授業でメンタル面を強調してお話をしていて、「その通りだ」と感じました。LAPに通い、自分の問題点がわかるようになりました。
――受講するなかで、ご自身に変化はありましたか?
変わりましたね。LAPでは、後半にグループワークをします。最初は、雑誌の編集部にいた時のノリでメンバーと関わってしまったのですが、学びと実際の積み重ねのなかで、それではだめだと感じました。
人を導くために「相手にビジョンを明確に見せ、共感してもらい、一緒に行こうと伝える」進め方がつかめるようになりました。所属していたチームで、最後に優秀なチームに与えられる賞を受賞できたことがとても嬉しかったです。
――グループワークがうまくいったのですね。
最初は大変でした。メンバーは私を含めて5人いましたが、4人は東京、1人は愛知県在住。その愛知県在住のメンバーはとても忙しくて、話し合いをしたくてもなかなか時間を合わせられませんでした。平日は週2~3回夜9時に集まり、終電で帰ったり、最後は土日にも活動したりする日々でした。
そうした中、皆がお互いにサポートし合い、最後までやり切ることができました。愛知県在住のメンバーは、グループで賞を受賞した時には感動して泣いていましたね。こうした経験の積み重ねがリーダーシップに繋がっていくのだろうと思いました。
――――受講する前と後でリーダーシップに対する考え方は変わりましたか?
受講する前は、リーダーシップはスキルだと思っていました。修了後は、ビジネススキルであり、メンタル的な面もあるし、イデオロギーも含まれているように感じました。今の自分と「こうありたい」自分にはギャップがあり、人やチームを「こうしたい」と考えること自体、そのギャップを埋める作業だと学びました。リーダーシップについては、決して答えはありません。それでも、自分の中の別人格から常に「それでいいのか」「答えに近づけ」と言われている気もしますね。
BBT大学院の宇田左近副学長からは、リーダーシップを簡単に言うと「忖度しないこと」と言われ、そういう生き方はいいなと思いました。現実社会は忖度があり、当社にもあります。僕が忖度しない生き方をすることで、いわば会社におけるリトマス試験紙となれるのではないかと考えるようになりました。
――心に残っている授業はありますか?
リーダーに必要なシップとスキルを獲得するには、「Be・Know・Do」(註1)が必要だと学べた授業ですね。私は毎朝、仕事をする前にToDoリストを更新しているのですが、授業を踏まえてそこでも最初にどうあるべきかを考え、「Be・Know・Do」を書いていますし、自分の価値について考えています。
リーダーシップに対しても、自ら先頭に立って組織や人々を牽引しなければならないと思っていました。しかし授業で、まずは「Find yourself」=自己理解を深め、次に「Lead the self」=自分自身のありたい姿に向かって自分自身を律してセルフリーダーシップを発揮することが大切だと学びました。その結果として、「Lead the people」「Lead the society」=人々や社会を率いることができると知り、まずは自分自身を知るところから始めなければと考え、今も実践しています。
――LAP修了後にBBT大学院へ進まれた経緯を教えてください。
メンバーの中にBBT大学院の修了生が二人いて、彼らのリーダーシップが素晴らしかったのです。私は、みんなをリードしようとしても、つい答えを言ってしまうのですが、彼らはさりげなく促しながら答えに向かって導いていて…。リーダーシップをしっかり発揮できている彼らへの憧れがあったのかもしれません。
学ぶにつれて「もっと勉強したい」という欲も生まれました。LAPと問題解決力トレーニングプログラムを受講している途中から、BBT大学院に行こうと決めていました。
――学習と仕事の両立はどのように進めましたか?
夜8時に帰宅してからシャワーを浴び、疲れていたら15分ほど寝たりしてさっぱりしてから、家で勉強していました。睡眠時間は平均4時間くらいでしたね。朝も早起きして勉強していました。
実は今もその習慣が続いていて、この2年間くらい、朝に英語の勉強をしています。電車で海外の方が話していると、理解ができるぐらいには身につきました。
――一緒に学んでいた皆さんはどんな方でしたか?
常に問題意識を持っている人、基本的な能力が高い人ばかりでしたね。一人の知よりも集合知の方が圧倒的にすごいのだと分かりました。BBT大学院に入学して思ったのは、上には上がいるということ。天才だと思えるような人もいましたし、そうした人に比べると自分は天才じゃないから勉強しなければと思いました。
そしてBBT大学院には、「言うべきことは言う」という文化がありました。会社だと忖度して言わず、解決しないままの課題もあったりします。BBT大学院ではお互いに指摘し合える環境だったので、ありがたく感じました。BBT大学院の授業は100%オンラインなので、文章で相手に自分の考えを伝える機会も多かったです。ですので自分が書いた文章に対する相手のリアクションを見て、文章の書き方や伝え方を学んでいく機会もありました。自分の間違いを指摘されて、受け入れる能力も磨かれたと感じます。そうした人たちと出会って切磋琢磨できて本当に良かったです。
――非常に充実した日々だったと伝わってきます。
修了後は「AirCampusロス」(註2)になりました(笑)。BBT大学院は単にビジネスを学ぶだけではなく、立場に関係なく本音で語れる場。日常的に気楽に会話をするというよりも、目的を持って高いレベルで課題を追求できる場です。そのような場はなかなか無いので、少し物足りなく感じることもあります。今でも、一緒に学んだ仲間とは定期的に連絡をとっていますよ。
――BBT大学院に入学して変化はありましたか?
BBT大学院で学んだ経験により、以前よりも高い視座からビジネスが見えるようになりました。私は理系出身で、営業も経営も知りませんでした。元編集者ならではの表現になりますが、今は漫画『ドラゴンボール』に出てくる戦闘力の高い「スーパーサイヤ人」になった気持ちです。ビジネスパーソンとしての基礎能力がグッと上がったと思います。これも、LAPとBBT大学院の両方に通ったからこそですね。
――BBT大学院で学んだ事柄を、今後どのように活かしていきたいですか?
私が所属している営業企画局特販部特販課は、当社のキャラクターと他社のコラボを実現するなど、新しい企画を立案する部署です。当社のみならず出版業界はさまざまな課題を抱えています。RTOCS(註3)で学んだ経営戦略立案力を活かして、課題解決に向けて日々邁進していきたいと考えています。
また、これまで新規事業コンテストにも応募したり、卒業研究(註4)に取り組んだ経験は自信になっています。こうした経験を活かして、今後は新規事業をやりたいという想いがあります。そしてゆくゆくは、自分の力で飯が食えるようになりたいですね。今は円安やロシア・ウクライナ戦争などリスクもありますが、岸田政権もスタートアップへの支援を打ち出していますし(2023年1月現在)、仲間と一緒に集合知をうまく使いながら歩んでいけるのが良い人生ではないかと考えています。
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註1
「Be・Know・Do」とは、リーダーに必要なシップとスキルを獲得するために必要だとされる「BE:どうあるべきか(自分軸・内面)」「KNOW:何を知っているか(知識・スキル)」「DO:何をするべきか(継続・実践)」です。
註2
BBT大学院の授業はすべてオンラインで行われるため、キャンパスをAirCampusと呼んでいます。
註3
「RTOCS」とは、自分がリーダーだった場合を想定し、現状の課題などを踏まえながら、将来像を予測し、取るべき方法を考えるというBBT大学院独自のケーススタディです。
註4
「卒業研究」とは、BBT大学院の学びの集大成として一人ひとり事業計画を立案し、教員陣の前でプレゼンテーションを行う必修科目です。
株式会社KADOKAWAに勤務する石堂さん。新卒で入社した後、書籍や雑誌の編集に携わっていましたが、営業企画局への異動をきっかけにリーダーシップについて学びたいと考え始めました。
そこでまず、リーダーシップ・アクションプログラム(以下、LAP)に参加。その後、ビジネス・ブレークスルー大学院(以下、BBT大学院)に入学しました。
仲間と学び自分で人生を切り開く力が身についたと語る石堂さんに、入学のきっかけから印象に残っている授業、LAPやBBT大学院での学びをどう仕事に活かしているかまで伺いました。
石堂 佐紀(いしどう さき)さん
2015年5月リーダーシップ・アクションプログラム受講開始。2015年4月修了。2016年10月ビジネス・ブレークスルー大学院(以下、BBT大学院)入学。2019年9月修了。修了時46歳。インタビュー時49歳。株式会社KADOKAWA 営業企画局特販部特販課(2023年1月現在)。
――石堂さんがBBTと出会ったきっかけを教えてください。
私は同志社大学卒業後、株式会社角川書店(現・株式会社KADOKAWA)に入社しました。最初は書籍の編集を担当し、3年後に雑誌の編集部へ異動して『ザテレビジョン』や『東京ウォーカー』を担当しました。出版業界は90年代後半からずっと市場が縮小し続け、当社も雑誌編集部は縮小。40歳頃に営業企画局特販部特販課へ異動になり今に至ります。
私は学生時代サッカーをやっていたので体力には自信があったものの、入社以来ずっと編集の仕事をしていたので営業の仕事は何もわかりませんでした。ただ、雑誌の営業を中心に残業もいとわず頑張ったところ、前年を超える売り上げを出すことができました。一方で当社は上場を見据えて社内の労働環境を整えつつあり、それまでの働き方では結果を出せなくなってきました。そこで壁にぶつかってしまったのです。
――その時感じた最も大きな壁は、何でしょうか?
個人だけでなく、組織で目標を達成することです。私は雑誌の編集部に長くいたので、雑誌の編集部にはコネクションもあり、おかげで結果を出すことができました。しかし、そうではない他のメンバーが私と同じ方法で結果を出せるかといえば、できません。組織として目標を達成する方法をものすごく考えましたが、経験値で乗り越えるには限界があると感じ、これはプロに教えてもらうしかないと思ったのです。そこでいろいろと調べていくうちにLAP (リーダーシップ・アクションプログラム)にたどり着き、「これだ!」と思いました。
――どんな点に魅力を感じましたか?
リーダーシップについて学べる点ですね。大学時代、私は全国トップレベルのサッカー部に所属しており、そこは練習中や試合中は厳しい言葉を言い合う世界でした。編集部も同じような世界だったので、入社後もそのまま厳しい言葉を使っていました。
ところが営業企画部に異動したところ編集部よりも働き方がホワイトで「ぬるい」と感じ、サッカー部や雑誌の編集部にいた時の文化を持ち込んでしまいました。周りに厳しい言葉をぶつけてしまっていたため「結果は出すけど、あいつはちょっと……」と言われるようになり、人を引っ張ることができませんでした。そのような現状を変えるべく、リーダーシップを学びたいと考えるようになりました。
またリーダーシップに魅かれたのは自分の体験だけでなく、当時NHKで『リーダーシップ白熱教室』という番組を放映しており、キング牧師やケネディ元大統領がどのように人を導くかを紹介していました。その影響もありますね。
――ご自身の課題解決につながると感じてLAPを選ばれたのですね。
はい。BBT大学院への入学も見据えていましたが、私は大学時代理系の学部に通っていたので、経営について何も知りませんでした。そこで、まずはLAPに行こうと決めました。ただ、運営している企業の会長が大前研一さんと聞いて、正直ついていけるかわからず「怖いなぁ」と思っていたのが正直なところです(笑)。
しかし当時私は40歳を過ぎた頃で、この先の長い社会人生活を考え「踏み込んでみよう」と決意しました。同時に、問題解決力トレーニングプログラムも受講しました。
――実際に受けてみた感想をお聞かせください。
とても面白かったですね。問題解決力トレーニングプログラムは最初、自分にできるか不安でした。でもプログラムを受講する中で経営のロジックを理解し、「いろいろな経営課題を解決できそうだ」と実感しました。
経営は編集の仕事に似ているとも感じました。『東京ウォーカー』で焼き肉店の情報を調べて傾向を分析していた時のように、さまざまな情報を集めて組み合わせて経営課題を解決する過程を面白いと感じました。先生が結構ほめてくれるのも嬉しかったですね。
リーダーシップに関しても、先生が授業でメンタル面を強調してお話をしていて、「その通りだ」と感じました。LAPに通い、自分の問題点がわかるようになりました。
――受講するなかで、ご自身に変化はありましたか?
変わりましたね。LAPでは、後半にグループワークをします。最初は、雑誌の編集部にいた時のノリでメンバーと関わってしまったのですが、学びと実際の積み重ねのなかで、それではだめだと感じました。
人を導くために「相手にビジョンを明確に見せ、共感してもらい、一緒に行こうと伝える」進め方がつかめるようになりました。所属していたチームで、最後に優秀なチームに与えられる賞を受賞できたことがとても嬉しかったです。
――グループワークがうまくいったのですね。
最初は大変でした。メンバーは私を含めて5人いましたが、4人は東京、1人は愛知県在住。その愛知県在住のメンバーはとても忙しくて、話し合いをしたくてもなかなか時間を合わせられませんでした。平日は週2~3回夜9時に集まり、終電で帰ったり、最後は土日にも活動したりする日々でした。
そうした中、皆がお互いにサポートし合い、最後までやり切ることができました。愛知県在住のメンバーは、グループで賞を受賞した時には感動して泣いていましたね。こうした経験の積み重ねがリーダーシップに繋がっていくのだろうと思いました。
――――受講する前と後でリーダーシップに対する考え方は変わりましたか?
受講する前は、リーダーシップはスキルだと思っていました。修了後は、ビジネススキルであり、メンタル的な面もあるし、イデオロギーも含まれているように感じました。今の自分と「こうありたい」自分にはギャップがあり、人やチームを「こうしたい」と考えること自体、そのギャップを埋める作業だと学びました。リーダーシップについては、決して答えはありません。それでも、自分の中の別人格から常に「それでいいのか」「答えに近づけ」と言われている気もしますね。
BBT大学院の宇田左近副学長からは、リーダーシップを簡単に言うと「忖度しないこと」と言われ、そういう生き方はいいなと思いました。現実社会は忖度があり、当社にもあります。僕が忖度しない生き方をすることで、いわば会社におけるリトマス試験紙となれるのではないかと考えるようになりました。
――心に残っている授業はありますか?
リーダーに必要なシップとスキルを獲得するには、「Be・Know・Do」(註1)が必要だと学べた授業ですね。私は毎朝、仕事をする前にToDoリストを更新しているのですが、授業を踏まえてそこでも最初にどうあるべきかを考え、「Be・Know・Do」を書いていますし、自分の価値について考えています。
リーダーシップに対しても、自ら先頭に立って組織や人々を牽引しなければならないと思っていました。しかし授業で、まずは「Find yourself」=自己理解を深め、次に「Lead the self」=自分自身のありたい姿に向かって自分自身を律してセルフリーダーシップを発揮することが大切だと学びました。その結果として、「Lead the people」「Lead the society」=人々や社会を率いることができると知り、まずは自分自身を知るところから始めなければと考え、今も実践しています。
――LAP修了後にBBT大学院へ進まれた経緯を教えてください。
メンバーの中にBBT大学院の修了生が二人いて、彼らのリーダーシップが素晴らしかったのです。私は、みんなをリードしようとしても、つい答えを言ってしまうのですが、彼らはさりげなく促しながら答えに向かって導いていて…。リーダーシップをしっかり発揮できている彼らへの憧れがあったのかもしれません。
学ぶにつれて「もっと勉強したい」という欲も生まれました。LAPと問題解決力トレーニングプログラムを受講している途中から、BBT大学院に行こうと決めていました。
――学習と仕事の両立はどのように進めましたか?
夜8時に帰宅してからシャワーを浴び、疲れていたら15分ほど寝たりしてさっぱりしてから、家で勉強していました。睡眠時間は平均4時間くらいでしたね。朝も早起きして勉強していました。
実は今もその習慣が続いていて、この2年間くらい、朝に英語の勉強をしています。電車で海外の方が話していると、理解ができるぐらいには身につきました。
――一緒に学んでいた皆さんはどんな方でしたか?
常に問題意識を持っている人、基本的な能力が高い人ばかりでしたね。一人の知よりも集合知の方が圧倒的にすごいのだと分かりました。BBT大学院に入学して思ったのは、上には上がいるということ。天才だと思えるような人もいましたし、そうした人に比べると自分は天才じゃないから勉強しなければと思いました。
そしてBBT大学院には、「言うべきことは言う」という文化がありました。会社だと忖度して言わず、解決しないままの課題もあったりします。BBT大学院ではお互いに指摘し合える環境だったので、ありがたく感じました。BBT大学院の授業は100%オンラインなので、文章で相手に自分の考えを伝える機会も多かったです。ですので自分が書いた文章に対する相手のリアクションを見て、文章の書き方や伝え方を学んでいく機会もありました。自分の間違いを指摘されて、受け入れる能力も磨かれたと感じます。そうした人たちと出会って切磋琢磨できて本当に良かったです。
――非常に充実した日々だったと伝わってきます。
修了後は「AirCampusロス」(註2)になりました(笑)。BBT大学院は単にビジネスを学ぶだけではなく、立場に関係なく本音で語れる場。日常的に気楽に会話をするというよりも、目的を持って高いレベルで課題を追求できる場です。そのような場はなかなか無いので、少し物足りなく感じることもあります。今でも、一緒に学んだ仲間とは定期的に連絡をとっていますよ。
――BBT大学院に入学して変化はありましたか?
BBT大学院で学んだ経験により、以前よりも高い視座からビジネスが見えるようになりました。私は理系出身で、営業も経営も知りませんでした。元編集者ならではの表現になりますが、今は漫画『ドラゴンボール』に出てくる戦闘力の高い「スーパーサイヤ人」になった気持ちです。ビジネスパーソンとしての基礎能力がグッと上がったと思います。これも、LAPとBBT大学院の両方に通ったからこそですね。
――BBT大学院で学んだ事柄を、今後どのように活かしていきたいですか?
私が所属している営業企画局特販部特販課は、当社のキャラクターと他社のコラボを実現するなど、新しい企画を立案する部署です。当社のみならず出版業界はさまざまな課題を抱えています。RTOCS(註3)で学んだ経営戦略立案力を活かして、課題解決に向けて日々邁進していきたいと考えています。
また、これまで新規事業コンテストにも応募したり、卒業研究(註4)に取り組んだ経験は自信になっています。こうした経験を活かして、今後は新規事業をやりたいという想いがあります。そしてゆくゆくは、自分の力で飯が食えるようになりたいですね。今は円安やロシア・ウクライナ戦争などリスクもありますが、岸田政権もスタートアップへの支援を打ち出していますし(2023年1月現在)、仲間と一緒に集合知をうまく使いながら歩んでいけるのが良い人生ではないかと考えています。
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註1
「Be・Know・Do」とは、リーダーに必要なシップとスキルを獲得するために必要だとされる「BE:どうあるべきか(自分軸・内面)」「KNOW:何を知っているか(知識・スキル)」「DO:何をするべきか(継続・実践)」です。
註2
BBT大学院の授業はすべてオンラインで行われるため、キャンパスをAirCampusと呼んでいます。
註3
「RTOCS」とは、自分がリーダーだった場合を想定し、現状の課題などを踏まえながら、将来像を予測し、取るべき方法を考えるというBBT大学院独自のケーススタディです。
註4
「卒業研究」とは、BBT大学院の学びの集大成として一人ひとり事業計画を立案し、教員陣の前でプレゼンテーションを行う必修科目です。