【修了生体験談 2020年3月修了・原川宏毅さん】 強い危機感から入学を即決。20代だからこそBBT大学院で得難いものを得られた
「このままの自分で良いのだろうか?」という強い危機感を持ち、27歳でBBT大学院に入学された原川さん。ご自身曰く「わからないことはわからないという性格」で、苦手な科目も教員やクラスメイトの協力を得ながら突破し、2年間で修了されました。

そんな原川さんに、BBT大学院での授業やクラスメイトとのエピソードや、現在の仕事に生かされている学びについてうかがいました。

修了生プロフィール


原川 宏毅さん
2018年4月BBT大学院入学、2020年3月修了。入学時27歳、インタビュー時は30歳。日本イーライリリー株式会社にてMR(医薬情報担当者)として働く(2020年10月現在)。

近い未来、エスカレーターは逆向きになっているかもしれない

近い未来、エスカレーターは逆向きになっているかもしれない
――原川さんは、当時27歳と比較的若いタイミングでビジネス・ブレークスルー大学大学院(以下、BBT大学院)にご入学されました。入学動機について教えていただけますか?

小学1年生から野球を始めて、家族のサポートや仲間に恵まれたおかげで、甲子園にも出場することができました。今振り返ると、すごく幸せな日々でしたね。

でも、野球部を引退したあとはやりたいことが見つからず、漫然と大学生活を過ごして、就活をして…。
ありがたいことに内定先は決まりましたが、会社員を4年経験し、MR(医薬情報担当者)の仕事にも慣れてきたころ、「5年、10年後、さまざまな物事が変化していく中で、自分は対応できるのか?」「このままの自分で良いのだろうか?」と不安を感じるようになりました。

MRという職種は、語弊を恐れずに言えば「ゆっくり上がっていくエスカレーター」のようだと思います。着実に仕事を続けることで、徐々に上昇していける。

しかし、MR以外の職種や業界にも当てはまりますが、いつ大きな変化や転換期が訪れてもおかしくない時代です。「今後、もしこのエスカレーターが突然“下り”に変わったら…?」と危機感を抱くようになりました。

そんなある日、職場の先輩と話していたところ、前任者がBOND-BBT(※)の修了生であることがわかりました。そこで、BBTやMBAの話をうかがい、興味を持ったのが入学を検討したきっかけです。

※編集註:「BOND-BBT」は、オーストラリアの名門BOND大学と株式会社ビジネス・ブレークスルー(BBT)が共同開発したMBAプログラムで、海外正式MBAが取得できます。

「やるだけやってみよう」と入学を即決

――説明会に参加してからしばらく検討される方も多いのですが、原川さんは説明会後にすぐ申し込まれましたよね。
「やるだけやってみよう」と入学を即決
はい、ほぼ即決でした(笑)。

2017年12月に説明会へ参加し、そのあとすぐに願書を出して、翌年の4月に入学しました。
「何か学ばなくてはいけない」という危機感がとにかく強かったですね。高校まで野球しかやってこなかった分、人よりも学生時代の学びが少なかったことに引け目も感じていました。

MBAを取得するメリットについては、先輩に教えてもらってある程度は認識していて、外資系の製薬会社にいるため、本社で昇進していく人はほぼ全員MBAを持っているという情報もありました。なので、「やるだけやってみよう」とチャレンジすることにしたんです。

即決できたのは、「やるだけやって、もし違ったらそのときにまた考えよう」と考えられていたのも大きかったですね。

あとは正直なところ、「後輩からダメな先輩だと思われたくない」という焦りも強かったです。
高校生の時は、チームメンバーのおかげで甲子園に出られたと思っています。社会に出てからもチームで働きますが、スキルを磨いて自分一人で戦える力も必要だと痛感しました。それに、会社に所属しているからには、会社に貢献しなければ、いわゆる“お荷物社員”になってしまいますから。

当時から「将来的には独立をしたいな」という想いが漠然とありましたが、何から始めたらよいかわからない状態だったので、アントレプレナーコース(※)を選びました。

※編集註:「アントレプレナーコース」は本科生のコースの一つです。従来のMBAカリキュラムである「ビジネス基礎力」に加え、「人間力」、「ビジネス・エシックス」にも注力したカリキュラム編成で、起業に関する実践と理論を本格的に習得します。

皆辛いなら協力し合おうと思い、楽しさに変わった

――特に印象に残っている科目は何ですか?
やはり一番は、RTOCS (※)ですね。
ケーススタディなのに「正解がない」という点が面白かったですし、ある企業の社長や、ある市区町村のトップの立場になって物事を考える機会がこの30年なかったので、毎回本当に楽しく取り組みました。

※編集註:「RTOCS(アールトックス)」は「Real Time Online Case Study」の略称で、BBT独自のケースメソッドです。答えの出ていない「現在進行形の企業課題」をケースとして扱い、当該企業に関する調査・分析・戦略考案を自ら実施します。大前研一学長の戦略系科目において、2年間毎週1題=合計約100題 を繰り返し行います。

とはいえ、1週間で情報収集から結論までたどり着くのは大変で、最初のうちは特に辛かったです。
でも、1年次の夏にクラスメイトの方が企画した中国・深圳の視察旅行に参加した際、皆さん一様に「RTOCSはめちゃくちゃ辛いよ!」とおっしゃっていて。

クラスメイトは、ビジネス経験が豊富な方や大企業の課長・部長クラスの方など、私にとってすごい方たちばかりでしたので、「自分だけが辛いのかな?」と思っていたんです。

それが、「皆さんも辛い思いをしながら頑張っているんだ!」とわかった瞬間、辛さが薄らぎました。
そして、「皆辛いなら、それぞれの専門分野や強みを生かしながら協力し合おう」と思えるようになってからは、辛さから楽しさに変わりましたね。


深圳視察旅行での一場面

オンライン学習プラットフォーム「AirCampus®」を使い、テキストでディスカッションをするので、クラスメイトの方々の発言がすべて読めるのも良かったです。

皆さんそれぞれにご専門を持っているので、情報共有したり情報収集のコツを教え合ったりと、毎回協力しながら取り組んでいました。クラスメイトの方からも毎週学びをいただき、本当に感謝しています。

RTOCS は、1週間という短いサイクルでケースが変わるのも良いところだと思います。毎週フレッシュな気持ちで、飽きることなく課題に取り組めました。

――RTOCSにはどれくらい時間をかけていましたか?


RTOCSとそれ以外の科目の学習時間の比率は、5:5くらいでした。修了までの年数によっても比率は違ってくると思いますが、私の場合は2年で修了し、RTOCSにかける比率は人より多めだったと思います。楽しくて、ついつい時間をかけちゃうんですよね(笑)。でも労力をかけた分だけ、自分の力はついたと感じます。

AirCampus®を使っていつでもどこでも学べるのは、MRという仕事柄も相まって、とても助かりました。
MRは先生を待つ時間が多いので、そうした待ち時間や移動中のスキマ時間などに、RTOCSの情報収集をしたり、ディスカッションのコメントを返したりしできるので。

なんとなく待っているだけのもったいない時間に学習を進められるので、MRをしていてMBA取得を検討している方には、特にBBT大学院をおすすめしたいですね。


停車中の車内でもディスカッションや講義視聴などができた

縁もゆかりもない山口県に配属され、周辺の観光地を一通り巡ってからは、平日の夜も土日も、ほとんどの時間をBBTの学習に充てていました。業界として接待が禁止されていますし、山口は車社会でほとんど仕事の飲み会もなく、一人暮らしのため家族との時間も気にせず、仕事以外の時間は勉強だけに専念できた貴重な2年間でした。

わからないときは素直にヘルプを出す

――ほかにはどんな科目が印象に残っていますか?

将来独立したいため、政元竜彦先生の「起業家精神研究」は印象に残っています。約40人の起業家さんの講義を毎回視聴し、リーダーシップや倫理観、人間性などから自身が起業する意味合いについて考える科目です。一人ひとりのお話が印象深かったですが、特に建築家の安藤忠雄さんのお話は今でもよく思い出します。

アカウンティングやファイナンスといったカネ系科目は、初めて学んだこともあり、難しくて苦手意識を持っていましたが、先生やクラスメイトの助けのおかげで、なんとか単位を取得できました。

当時は20代で、クラスの中でも若いほうだったので、わからないところは素直に「わからない」と伝えることで、クラスメイトの詳しい方によく教えていただきました。

苦手なことを隠して苦しむよりも、「苦手です」「わかりません」と公にして、周囲の方にヘルプを出すことで、理解する速度が上がり、学習の機会も増えたと思います。


スクーリング後にBBT大学院の教室内でクラスメイトと撮影

――学びの集大成である「卒業研究」はいかがでしたか?

卒研は、まさに集大成として濃い学びが得られました。なぜなら、卒研を書くだけで完結するのではなく、書いていくうちに過去の講義を振り返らなければならない機会が何度もあったからです。

これまでの学びのすべてを体系立てて修得していることが必要だったので、同じ講義動画を2、3回視聴し直したり、過去のディスカッションを振り返ったりしながら、より学びを深めていきました。

卒研を進めながら、当時の自分が提出した課題やコメントを読み返すと、学びの解像度がまったく違い、「このときの自分のコメント、浅いな…」と思うことも(笑)。そのように自分の成長も実感できるのは、卒研の醍醐味だと思います。


「卒研ブラッシュアップ会」の様子

経営者視点で提案し「他にはいないMR」と評価された

――BBT大学院での学びは、現職でどのように生かされていますか?


RTOCSをはじめ、BBT大学院の授業で「経営者視点」を身につけたことで、MRの仕事では、「担当する病院のトップの先生方はどのような薬剤を採用したいだろうか」という観点から、より先生方に喜ばれるご提案ができるようなりました。

弊社は先発医薬品のメーカーですが、病院の立場に寄り添って、他社の後発医薬品(ジェネリック医薬品)をご提案するようにもなりました。自社のものではない薬を薦めたことで、「他にはいないMR」と評価をいただいて、「じゃあ、君が売りたい薬についても話を聞こう」と商談に持ち込めたことも。MRという職種の前に、「相手の立場に寄り添ってくれる人間」として評価をいただけたのは嬉しかったですね。

また、弊社の社長が今後どのように会社を大きくしていきたいと考えているかなど、自社の経営についても、より深く理解することができるようになりました。BBT大学院での学びがあったからこそ、現在のような考え方や活動ができていると感じています。

コロナ禍で活躍したスキルとは?


あとは、コロナウイルスの感染拡大以降、病院の訪問禁止などもあり、医師の先生方との面会もオンラインで行うことが増えているんです。

オンライン面会の数が社内評価にも関わってくるのですが、BBT大学院でサイバー教育を受けて、オンラインでの学習や、先生・クラスメイトなどとコミュニケーションをとった経験が、今まさに生きています。

コロナによるオンライン化の波に乗り遅れず、スムーズに移行できました。オンライン面会など何か新しいことを始めるとネガティブな意見も出がちですが、「1回やったら慣れますよ」とチームの中でも主導で動けました。

――オンライン上でのやりとりは、もともと得意なほうでしたか?

いえ、本当に苦手で、実は初めて自分のノートパソコンを買ったのも、BBT大学院にオンライン願書を出す前のタイミングだったんです。それまでは、学校でタイピングを習った程度で…。でも、こんな私でも無事修了して、こうして取材を受けているくらいですし、パソコンが苦手な方でも教務課の方々がしっかりサポートしてくれるので、大丈夫です。

今でもよく覚えているのですが、課題で初めてPowerPointのファイルを提出する際、ファイル添付の方法すらわからなかったんです。「こんな初歩的なことを30歳手前の男が聞いてもいいのものか…」と思いつつも、わからないものはわからないので、教務課の方に質問のメッセージを送りました。そうしたら、すぐに的確な返信をくださって、2回目以降は自分でできるようになりました。

そんな調子で、教務課の方々に些細な質問を何度もして、その度にとてもわかりやすく教えてもらっていました。教務課の皆さんには感謝しかないですね。

――クラスメイトとは授業以外でどんな関わりがありましたか?

クラスメイトとは、2週間に1回Zoomを使ってオンラインで近況報告をしていました。
1年次にクラスメイトの企画で深圳へ視察旅行に行った際には、直接たくさんのお話ができて楽しかったですね。

また、コロナウイルスの感染拡大で中止になってしまいましたが、卒業(修了)旅行として、国内での視察旅行を企画していました。その企画メンバーとは今でもつながっていて、LINEなどでやりとりすることもあります。

企画メンバーの一人であるAさんとは、実は一度も直接お会いしたことはないのですが、今でもオンライン上で話すことが多く、仲良くさせてもらっています。

Aさんには、当時驚いたことがあって…。
AirCampus®上では、授業ということもあり、皆さんいわゆる標準語の敬語を使っていたんですね。それが、テレビ会議システムでお話ししたら、Aさんがめちゃくちゃ関西弁を話し出したんです(笑)。

プロフィールからAさんが関西在住であることは知っていたものの、テキストでは関西弁は一切出てこなかったので、改めて「関西の方なんだな」と実感し、私も当時転勤で関西方面に住んでいたので親近感がわきました。

AirCampus®ではアイコンしか表示されないので、飲み会などで直接お話したりして、「テキスト上では普通にディスカッションしていたけど、こんなにすごい方だったのか!」と驚くこともよくありました。

もちろん役職や企業名だけではないですが、大企業の部長や社長クラスの方もクラスメイトにはいらっしゃって、そうした方々とも一緒に学んだり飲み会で席を共にしたりできたのは、BBT大学院に入ったからこそ実現したことです。

相手の立場や役職などを気にすることなく、フラットにクラスメイトとディスカッションができるのは、BBT大学院ならではの良さだと思います。

また、私は同窓会の理事も務めているため、修了した今も、期を超えたつながりを持つことができています。


クラスメイトとの飲み会

修了した今改めて描く、将来のビジョン


――最初に、5年後、10年後を見据えて「このままの自分ではいけない」と危機感を持ったのが入学の動機だとおうかがいしました。
BBT大学院を修了した今、数年先にどのようなビジョンを描かれていますか?

現在、BBT大学院同窓会の理事に参画していて、新会長の松崎さんからお声掛けいただき、BBTABC(BBTアルムナイビジネスカンファレンス)の企画運営もさせてもらおうと考えています。そうした活動を通して、修了した身であってもBBT大学院と長く関わり、BBT独自のネットワークをもっともっと広げる活動をしていきたいです。

もう一つ、まだ具体的にはお話できないのですが、今、会社で前例がないことに2つ挑戦しようとしています。「きちんとMBAを取得して、~~などの資格取得にチャレンジしている社員からの提案なんです」と、上司から経営層の方々にプッシュしていただいているところです。

弊社も今まさに変わろうとしている時期なので、変革のトップランナーとして活躍していきたいです。そして、夢である独立についても、BBT大学院での学びを礎に、一歩一歩進めていく予定です。

【修了生体験談 2020年3月修了・原川宏毅さん】 強い危機感から入学を即決。20代だからこそBBT大学院で得難いものを得られた
「このままの自分で良いのだろうか?」という強い危機感を持ち、27歳でBBT大学院に入学された原川さん。ご自身曰く「わからないことはわからないという性格」で、苦手な科目も教員やクラスメイトの協力を得ながら突破し、2年間で修了されました。

そんな原川さんに、BBT大学院での授業やクラスメイトとのエピソードや、現在の仕事に生かされている学びについてうかがいました。

修了生プロフィール


原川 宏毅さん
2018年4月BBT大学院入学、2020年3月修了。入学時27歳、インタビュー時は30歳。日本イーライリリー株式会社にてMR(医薬情報担当者)として働く(2020年10月現在)。

近い未来、エスカレーターは逆向きになっているかもしれない

近い未来、エスカレーターは逆向きになっているかもしれない
――原川さんは、当時27歳と比較的若いタイミングでビジネス・ブレークスルー大学大学院(以下、BBT大学院)にご入学されました。入学動機について教えていただけますか?

小学1年生から野球を始めて、家族のサポートや仲間に恵まれたおかげで、甲子園にも出場することができました。今振り返ると、すごく幸せな日々でしたね。

でも、野球部を引退したあとはやりたいことが見つからず、漫然と大学生活を過ごして、就活をして…。
ありがたいことに内定先は決まりましたが、会社員を4年経験し、MR(医薬情報担当者)の仕事にも慣れてきたころ、「5年、10年後、さまざまな物事が変化していく中で、自分は対応できるのか?」「このままの自分で良いのだろうか?」と不安を感じるようになりました。

MRという職種は、語弊を恐れずに言えば「ゆっくり上がっていくエスカレーター」のようだと思います。着実に仕事を続けることで、徐々に上昇していける。

しかし、MR以外の職種や業界にも当てはまりますが、いつ大きな変化や転換期が訪れてもおかしくない時代です。「今後、もしこのエスカレーターが突然“下り”に変わったら…?」と危機感を抱くようになりました。

そんなある日、職場の先輩と話していたところ、前任者がBOND-BBT(※)の修了生であることがわかりました。そこで、BBTやMBAの話をうかがい、興味を持ったのが入学を検討したきっかけです。

※編集註:「BOND-BBT」は、オーストラリアの名門BOND大学と株式会社ビジネス・ブレークスルー(BBT)が共同開発したMBAプログラムで、海外正式MBAが取得できます。

「やるだけやってみよう」と入学を即決

――説明会に参加してからしばらく検討される方も多いのですが、原川さんは説明会後にすぐ申し込まれましたよね。
「やるだけやってみよう」と入学を即決
はい、ほぼ即決でした(笑)。

2017年12月に説明会へ参加し、そのあとすぐに願書を出して、翌年の4月に入学しました。
「何か学ばなくてはいけない」という危機感がとにかく強かったですね。高校まで野球しかやってこなかった分、人よりも学生時代の学びが少なかったことに引け目も感じていました。

MBAを取得するメリットについては、先輩に教えてもらってある程度は認識していて、外資系の製薬会社にいるため、本社で昇進していく人はほぼ全員MBAを持っているという情報もありました。なので、「やるだけやってみよう」とチャレンジすることにしたんです。

即決できたのは、「やるだけやって、もし違ったらそのときにまた考えよう」と考えられていたのも大きかったですね。

あとは正直なところ、「後輩からダメな先輩だと思われたくない」という焦りも強かったです。
高校生の時は、チームメンバーのおかげで甲子園に出られたと思っています。社会に出てからもチームで働きますが、スキルを磨いて自分一人で戦える力も必要だと痛感しました。それに、会社に所属しているからには、会社に貢献しなければ、いわゆる“お荷物社員”になってしまいますから。

当時から「将来的には独立をしたいな」という想いが漠然とありましたが、何から始めたらよいかわからない状態だったので、アントレプレナーコース(※)を選びました。

※編集註:「アントレプレナーコース」は本科生のコースの一つです。従来のMBAカリキュラムである「ビジネス基礎力」に加え、「人間力」、「ビジネス・エシックス」にも注力したカリキュラム編成で、起業に関する実践と理論を本格的に習得します。

皆辛いなら協力し合おうと思い、楽しさに変わった

――特に印象に残っている科目は何ですか?
やはり一番は、RTOCS (※)ですね。
ケーススタディなのに「正解がない」という点が面白かったですし、ある企業の社長や、ある市区町村のトップの立場になって物事を考える機会がこの30年なかったので、毎回本当に楽しく取り組みました。

※編集註:「RTOCS(アールトックス)」は「Real Time Online Case Study」の略称で、BBT独自のケースメソッドです。答えの出ていない「現在進行形の企業課題」をケースとして扱い、当該企業に関する調査・分析・戦略考案を自ら実施します。大前研一学長の戦略系科目において、2年間毎週1題=合計約100題 を繰り返し行います。

とはいえ、1週間で情報収集から結論までたどり着くのは大変で、最初のうちは特に辛かったです。
でも、1年次の夏にクラスメイトの方が企画した中国・深圳の視察旅行に参加した際、皆さん一様に「RTOCSはめちゃくちゃ辛いよ!」とおっしゃっていて。

クラスメイトは、ビジネス経験が豊富な方や大企業の課長・部長クラスの方など、私にとってすごい方たちばかりでしたので、「自分だけが辛いのかな?」と思っていたんです。

それが、「皆さんも辛い思いをしながら頑張っているんだ!」とわかった瞬間、辛さが薄らぎました。
そして、「皆辛いなら、それぞれの専門分野や強みを生かしながら協力し合おう」と思えるようになってからは、辛さから楽しさに変わりましたね。


深圳視察旅行での一場面

オンライン学習プラットフォーム「AirCampus®」を使い、テキストでディスカッションをするので、クラスメイトの方々の発言がすべて読めるのも良かったです。

皆さんそれぞれにご専門を持っているので、情報共有したり情報収集のコツを教え合ったりと、毎回協力しながら取り組んでいました。クラスメイトの方からも毎週学びをいただき、本当に感謝しています。

RTOCS は、1週間という短いサイクルでケースが変わるのも良いところだと思います。毎週フレッシュな気持ちで、飽きることなく課題に取り組めました。

――RTOCSにはどれくらい時間をかけていましたか?


RTOCSとそれ以外の科目の学習時間の比率は、5:5くらいでした。修了までの年数によっても比率は違ってくると思いますが、私の場合は2年で修了し、RTOCSにかける比率は人より多めだったと思います。楽しくて、ついつい時間をかけちゃうんですよね(笑)。でも労力をかけた分だけ、自分の力はついたと感じます。

AirCampus®を使っていつでもどこでも学べるのは、MRという仕事柄も相まって、とても助かりました。
MRは先生を待つ時間が多いので、そうした待ち時間や移動中のスキマ時間などに、RTOCSの情報収集をしたり、ディスカッションのコメントを返したりしできるので。

なんとなく待っているだけのもったいない時間に学習を進められるので、MRをしていてMBA取得を検討している方には、特にBBT大学院をおすすめしたいですね。


停車中の車内でもディスカッションや講義視聴などができた

縁もゆかりもない山口県に配属され、周辺の観光地を一通り巡ってからは、平日の夜も土日も、ほとんどの時間をBBTの学習に充てていました。業界として接待が禁止されていますし、山口は車社会でほとんど仕事の飲み会もなく、一人暮らしのため家族との時間も気にせず、仕事以外の時間は勉強だけに専念できた貴重な2年間でした。

わからないときは素直にヘルプを出す

――ほかにはどんな科目が印象に残っていますか?

将来独立したいため、政元竜彦先生の「起業家精神研究」は印象に残っています。約40人の起業家さんの講義を毎回視聴し、リーダーシップや倫理観、人間性などから自身が起業する意味合いについて考える科目です。一人ひとりのお話が印象深かったですが、特に建築家の安藤忠雄さんのお話は今でもよく思い出します。

アカウンティングやファイナンスといったカネ系科目は、初めて学んだこともあり、難しくて苦手意識を持っていましたが、先生やクラスメイトの助けのおかげで、なんとか単位を取得できました。

当時は20代で、クラスの中でも若いほうだったので、わからないところは素直に「わからない」と伝えることで、クラスメイトの詳しい方によく教えていただきました。

苦手なことを隠して苦しむよりも、「苦手です」「わかりません」と公にして、周囲の方にヘルプを出すことで、理解する速度が上がり、学習の機会も増えたと思います。


スクーリング後にBBT大学院の教室内でクラスメイトと撮影

――学びの集大成である「卒業研究」はいかがでしたか?

卒研は、まさに集大成として濃い学びが得られました。なぜなら、卒研を書くだけで完結するのではなく、書いていくうちに過去の講義を振り返らなければならない機会が何度もあったからです。

これまでの学びのすべてを体系立てて修得していることが必要だったので、同じ講義動画を2、3回視聴し直したり、過去のディスカッションを振り返ったりしながら、より学びを深めていきました。

卒研を進めながら、当時の自分が提出した課題やコメントを読み返すと、学びの解像度がまったく違い、「このときの自分のコメント、浅いな…」と思うことも(笑)。そのように自分の成長も実感できるのは、卒研の醍醐味だと思います。


「卒研ブラッシュアップ会」の様子

経営者視点で提案し「他にはいないMR」と評価された

――BBT大学院での学びは、現職でどのように生かされていますか?


RTOCSをはじめ、BBT大学院の授業で「経営者視点」を身につけたことで、MRの仕事では、「担当する病院のトップの先生方はどのような薬剤を採用したいだろうか」という観点から、より先生方に喜ばれるご提案ができるようなりました。

弊社は先発医薬品のメーカーですが、病院の立場に寄り添って、他社の後発医薬品(ジェネリック医薬品)をご提案するようにもなりました。自社のものではない薬を薦めたことで、「他にはいないMR」と評価をいただいて、「じゃあ、君が売りたい薬についても話を聞こう」と商談に持ち込めたことも。MRという職種の前に、「相手の立場に寄り添ってくれる人間」として評価をいただけたのは嬉しかったですね。

また、弊社の社長が今後どのように会社を大きくしていきたいと考えているかなど、自社の経営についても、より深く理解することができるようになりました。BBT大学院での学びがあったからこそ、現在のような考え方や活動ができていると感じています。

コロナ禍で活躍したスキルとは?


あとは、コロナウイルスの感染拡大以降、病院の訪問禁止などもあり、医師の先生方との面会もオンラインで行うことが増えているんです。

オンライン面会の数が社内評価にも関わってくるのですが、BBT大学院でサイバー教育を受けて、オンラインでの学習や、先生・クラスメイトなどとコミュニケーションをとった経験が、今まさに生きています。

コロナによるオンライン化の波に乗り遅れず、スムーズに移行できました。オンライン面会など何か新しいことを始めるとネガティブな意見も出がちですが、「1回やったら慣れますよ」とチームの中でも主導で動けました。

――オンライン上でのやりとりは、もともと得意なほうでしたか?

いえ、本当に苦手で、実は初めて自分のノートパソコンを買ったのも、BBT大学院にオンライン願書を出す前のタイミングだったんです。それまでは、学校でタイピングを習った程度で…。でも、こんな私でも無事修了して、こうして取材を受けているくらいですし、パソコンが苦手な方でも教務課の方々がしっかりサポートしてくれるので、大丈夫です。

今でもよく覚えているのですが、課題で初めてPowerPointのファイルを提出する際、ファイル添付の方法すらわからなかったんです。「こんな初歩的なことを30歳手前の男が聞いてもいいのものか…」と思いつつも、わからないものはわからないので、教務課の方に質問のメッセージを送りました。そうしたら、すぐに的確な返信をくださって、2回目以降は自分でできるようになりました。

そんな調子で、教務課の方々に些細な質問を何度もして、その度にとてもわかりやすく教えてもらっていました。教務課の皆さんには感謝しかないですね。

――クラスメイトとは授業以外でどんな関わりがありましたか?

クラスメイトとは、2週間に1回Zoomを使ってオンラインで近況報告をしていました。
1年次にクラスメイトの企画で深圳へ視察旅行に行った際には、直接たくさんのお話ができて楽しかったですね。

また、コロナウイルスの感染拡大で中止になってしまいましたが、卒業(修了)旅行として、国内での視察旅行を企画していました。その企画メンバーとは今でもつながっていて、LINEなどでやりとりすることもあります。

企画メンバーの一人であるAさんとは、実は一度も直接お会いしたことはないのですが、今でもオンライン上で話すことが多く、仲良くさせてもらっています。

Aさんには、当時驚いたことがあって…。
AirCampus®上では、授業ということもあり、皆さんいわゆる標準語の敬語を使っていたんですね。それが、テレビ会議システムでお話ししたら、Aさんがめちゃくちゃ関西弁を話し出したんです(笑)。

プロフィールからAさんが関西在住であることは知っていたものの、テキストでは関西弁は一切出てこなかったので、改めて「関西の方なんだな」と実感し、私も当時転勤で関西方面に住んでいたので親近感がわきました。

AirCampus®ではアイコンしか表示されないので、飲み会などで直接お話したりして、「テキスト上では普通にディスカッションしていたけど、こんなにすごい方だったのか!」と驚くこともよくありました。

もちろん役職や企業名だけではないですが、大企業の部長や社長クラスの方もクラスメイトにはいらっしゃって、そうした方々とも一緒に学んだり飲み会で席を共にしたりできたのは、BBT大学院に入ったからこそ実現したことです。

相手の立場や役職などを気にすることなく、フラットにクラスメイトとディスカッションができるのは、BBT大学院ならではの良さだと思います。

また、私は同窓会の理事も務めているため、修了した今も、期を超えたつながりを持つことができています。


クラスメイトとの飲み会

修了した今改めて描く、将来のビジョン


――最初に、5年後、10年後を見据えて「このままの自分ではいけない」と危機感を持ったのが入学の動機だとおうかがいしました。
BBT大学院を修了した今、数年先にどのようなビジョンを描かれていますか?

現在、BBT大学院同窓会の理事に参画していて、新会長の松崎さんからお声掛けいただき、BBTABC(BBTアルムナイビジネスカンファレンス)の企画運営もさせてもらおうと考えています。そうした活動を通して、修了した身であってもBBT大学院と長く関わり、BBT独自のネットワークをもっともっと広げる活動をしていきたいです。

もう一つ、まだ具体的にはお話できないのですが、今、会社で前例がないことに2つ挑戦しようとしています。「きちんとMBAを取得して、~~などの資格取得にチャレンジしている社員からの提案なんです」と、上司から経営層の方々にプッシュしていただいているところです。

弊社も今まさに変わろうとしている時期なので、変革のトップランナーとして活躍していきたいです。そして、夢である独立についても、BBT大学院での学びを礎に、一歩一歩進めていく予定です。