近年、製薬業界の環境変化に伴い、MRの人数は減少の一途をたどっています。大手製薬会社のMRとして医師や薬剤師に対する医療用医薬品の情報提供に携わる内山貴久さんは、自身のキャリアに不安を感じていた時、MBAホルダーである上司のひと言がきっかけでBBT大学院への入学を決意しました。
MBAの取得には週20〜25時間の学習時間が必要とされるなか、土日は使わず平日に集中して勉強を続け、家庭・仕事・勉強の“三立”を実現。効率よく勉強するためのコツや、BBT大学院での学びを現場でどのように活かしているかをうかがいました。
内山 貴久(うちやま たかひさ)さん
2018年4月ビジネス・ブレークスルー大学院(以下、BBT大学院)入学、2021年3月修了。入学時35歳、インタビュー時は39歳。国内大手製薬会社 営業二課にて課長を務める。(2021年8月現在)。
――はじめに、内山さんがBBT大学院でMBAを取ろうと思ったきっかけを教えていただけますか。
2つあって、まずはMBAを持っていた元上司の存在が大きいです。その上司はものごとの考え方や伝え方がとてもロジカルで、それが私の頭にもスッと入ってきて、納得感のある仕事の進め方ができていました。
私はずっと営業畑で働いてきて、もともと体育会系でスポーツに打ち込んできました。そのため勉強には苦手意識を持っていて、MBAを学んでみたいと思ったものの、自分には上司のようなロジカルシンキングはできないのではないかと不安に感じていました。
実は私は、野球でずっとキャッチャーをしていたのですが、分析力や判断力が求められるポジションなんですね。MBAの学びにもその思考プロセスを活かせるのではないかと思い、上司にMBAを取ることについて相談したところ、「そういうタイプこそMBAに向いているかもしれないよ」と言われて、勉強してみようと決めました。
もうひとつは、MRとしてのキャリアに対する危機感です。いま国内には約6万人のMRがいるといわれていますが、その数はどんどん減少しています。背景には、医療用医薬品の情報提供に関する新たなガイドラインの運用や、製薬業界における公正競争規約が厳しくなっていることが挙げられます。
そのような環境において、会社のなかで昇進するチャンスが目に見えて減っている実感がありました。昔なら、年次を重ねれば昇進していくという、ある程度のキャリアパスが見えていたかもしれません。でもこれからは、キャリアを積んでいくためには自分が変わらなければならないと感じ、「やるしかない」と思い立ちました。
働く環境や家庭の状況をふまえたうえで、シンプルに力をつけたかったので、オンラインで学べるBBT大学院に魅力を感じて入学を決めました。
――実際にBBT大学院で入学されてみて、どのように感じられましたか?
医療業界しか経験してこなかったので、最初はわからないことばかりでした。でも新しい世界が広がって、ファイナンスやアカウンティングなど、仕事をしていくうえで知っておいたほうがいいと思うことがたくさんありました。特にファイナンスの知識は、日常生活でも役に立つことがあると感じます。講義のなかで一番きつかったのはRTOCS(※1)ですね。
――RTOCSはみなさんが苦労されますが、取り組むうちに楽しくなってくるという方もいらっしゃいます。内山さんはいかがでしたか?
いわゆる学校での勉強に慣れていると、RTOCSは違和感があると思います。なぜなら正解がないからです。はじめのうちは、結論を出しても“やりっぱなし”のような感覚があったのですが、20〜30回くらい取り組んだ頃、自分のなかで「これでいいんだ」と納得できた瞬間があったんですね。
最初は、発言をしても周りの人がどう思っているかを気にしてしまっていました。でも、情報を集めてロジカルに結論を出せていれば、文句を言われるわけではないですし、自分なりのものをつくりあげればいいんだと思えて吹っ切れました。それから自分のなかで“うまくハマったな”と自信を持てるものが何回か出てきて、だんだん楽しくなっていきました。
――具体的にどの課題が印象に残っていますか?
100円ショップをテーマにした課題が印象深かったですね。生活のなかで身近なものですし、自分で店舗に足を運んでみて、社長の気分になって考えている時が楽しかったです。100円ショップはどこも同じだろうと思っていたのに、競合各社の違いに気づけたのも発見でした。まったく未知の分野を扱う課題もありますが、実際に現場を見られるケースは楽しみながら取り組めました。
また、メンバーに恵まれて、みんなで協力しながら取り組む楽しさもありました。自分の発言に対して誰かが必ずレスポンスをくれて助かりましたね。BBT大学院での学びは、ディスカッションが記録として残るのもポイントだと思います。
一つひとつ考えて投稿をするので思い入れがありますし、考えたことを文章に書いて取り組む一連の作業が記憶になるのかなと。時にはスクーリングでリアルに顔を合わせることもありますが、オンラインで学ぶからこその良さも感じました。
編集者註
(※1)「RTOCS(アールトックス)」:「Real Time Online Case Study」の略称で、BBT独自のケースメソッドです。答えの出ていない「現在進行形の企業課題」をケースとして扱い、当該企業に関する調査・分析・戦略考案を自ら実施します。大前研一学長の戦略系科目において、卒業までに2年間毎週1題=合計約100題を繰り返し行います。
――仕事をしながらMBAを学ぶのは大変だったと思います。モチベーションを保ち続け、心が折れないようにするための工夫はありましたか?
入学する時に絶対にやりきると決めていましたし、自己投資をしているので絶対に回収してやろうという気持ちがありました。ただ、実際に勉強したら一つひとつの教科が必ず身になっていたので、それがモチベーションになりましたね。
学んだ知識を活かして仕事で発言をすると、「よく知っているね」と言われたり、アドバイスを求められたりすることも出てきて、自分にできる仕事の内容が変わってきました。それはBBT大学院のおかげだなと思っています。
BBT大学院で勉強していることを仕事でお会いする先生方にお話しすると、皆さんが応援してくださるのも励みになりました。先生方は、モチベーションを持ったMRに担当してほしいと思っていらっしゃいます。卒業を先生方へご報告にうかがったところ、とても喜んでいただけました。
――普段の勉強はどのように取り組んでいましたか?
土日はほとんど勉強せず、平日に集中して取り組みました。子どもが小さく、妻には迷惑をかけないという約束のもとで入学したので、最初の半年くらいは本当にきつかったのですが、だんだん自分のリズムをつかめるようになりました。両立に悩む方はたくさんいらっしゃると思いますが、家庭と仕事と勉強の3つを“三立”できるのはBBT大学院だけだと思います。
――勉強をするうえでのコツはありますか?
常に頭を動かして考えておくことでしょうか。私のMR活動に関していえば、1日に多くて10人くらいのドクターにお会いしますが、1人あたり平均約10分です。それ以外は診察が終わるまで待っている時間や移動をしている時間が多いので、その時間を課題について考える時間にしていました。アイデアを出すまでが大変で、アイデアさえ出てメモしておけばあとは書くだけなので、パソコンを出した時に一気にアウトプットするようにしていました。
「週◯時間の勉強時間をつくろう」と思うとたぶんできないので、空き時間をうまく活用して勉強の時間にあてました。ジョギングをしながら講義を聴くこともありましたね。
――BBT大学院で学んだことを仕事に活かせたエピソードがあれば教えていただけますか。
BBT大学院で学んだことしか使っていないと言ってもいいくらいです。実は、入学前はMRとしてプレイヤーの1人だったのですが、在学中にマネージャーになることができ、現在は都内の多摩エリアと城南エリアの責任者をしています。
マネジメントの観点では、チームづくりをする時に役立ちました。これまで、個々人が成果を出せていても、チームとしての力を高めるにはどうしたらいいのかが明確ではなく、マネージャーそれぞれの感覚的な教え方になりがちでした。
そこで、BBT大学院で習った「7S」(※2)のフレームワークをもとに考えてみたんです。「7S」は改革すべき要素がわかりやすくまとまっていて、使えるなと思いました。また、個人面談をする時は「Will/Can/Must」(※3)の考え方を取り入れています。日々のあらゆる業務において、BBT大学院で学んだことを活かすとうまくいくケースが多いですね。
そういった取り組みを行なったことで成果を出すことができ、社内の営業が200人ほど集まる場でチームづくりについて話す機会をいただきました。それに反響があって、チームづくりに関する相談を受けることも増えました。
――会社としては、内山さんのような存在がいらっしゃると心強いですね。マネジメントに関して特に役立った講義はありますか?
川上真史先生の「戦略的人材マネジメント」の講義が印象に残っています。エビデンスに基づいてスキルセットもマインドセットも現場で活用しやすい講義が多かったです。なので、いまも川上先生の講義のスクーリングがあれば参加しています。
――内山さんにとってMBAとはどんなものでしょうか?
MBAは“失敗を減らせるツール”だと思います。何をするにしても、知らないと手探りで進めなければなりません。でも、自分にとって軸となる知識を持っていれば、やるべきことの方向性がある程度決まるので、ムダな時間がなくなります。
現場で何か問題が起こった時、状況を整理するクセがついていると調べるべきことが明確で、すぐに行動に移すことができますよね。そうして出した自分なりの結論には納得感があって、成功に近しいものになると思います。
MBAを学ぶまでは、感覚的に間違っていないだろうと思うことを、行き当たりばったりでやることが多かったんです。MBAを学んだからこそ、直感だけで動かず、ロジカルに考えられるようになりました。BBT大学院での勉強にちゃんと取り組めば、頭の中でロジックツリーが見えて、何らかの解決法が見えてくると思います。特にRTOCSはいわば“100本ノック”のような感じで、思考力が鍛えられましたね。
編集者註:
(※2)「7S」・・・マッキンゼーが提唱したフレームワーク。3つのハード面からみた経営資源と、4つのソフト面からみた経営資源をもとに、組織の現状と理想のギャップを診断するもの。
(※3)「Will/Can/Must」・・・個人がキャリアを考える上で役に立つフレームワーク。Will(やりたいこと)、Can(できること)、Must(やるべきこと)に分けて考えることで、キャリアプラン策定に活用できる。
――MRの方がMBAを学ぶことについて、どう思われますか?
MRは、自分で仕事を決めて、その成果が評価される職種です。なので、隙間に時間をつくろうと思えばつくれます。ただ、先ほどお話ししたような製薬業界が置かれた状況を打破するためには、何かしら自分で学ばなければなりません。
多くの人は「時間がない」と言いますが、隙間の時間をつくりやすいMRにとって、オンラインで学ぶBBT大学院はとてもマッチしていると思います。MRに限らず、成果主義かつ自分で時間をコントロールしやすい職種で働いている人には、特におすすめしたいです。
――最後に、MBAを検討されている方へのアドバイスをお願いします。
もし、いま仕事を楽しめていないのなら、勉強すればきっと環境を変えられるので、絶対やったほうがいいと思います。昇格やジョブチェンジを目指したり、視野を広げたり、キャリアを待つのではなく自分から掴み取りにいくための武器を得られるチャンスです。
興味があってもすぐ行動に移すのは容易ではないかもしれませんが、まずは一歩を踏み出してみてほしいですね。
近年、製薬業界の環境変化に伴い、MRの人数は減少の一途をたどっています。大手製薬会社のMRとして医師や薬剤師に対する医療用医薬品の情報提供に携わる内山貴久さんは、自身のキャリアに不安を感じていた時、MBAホルダーである上司のひと言がきっかけでBBT大学院への入学を決意しました。
MBAの取得には週20〜25時間の学習時間が必要とされるなか、土日は使わず平日に集中して勉強を続け、家庭・仕事・勉強の“三立”を実現。効率よく勉強するためのコツや、BBT大学院での学びを現場でどのように活かしているかをうかがいました。
内山 貴久(うちやま たかひさ)さん
2018年4月ビジネス・ブレークスルー大学院(以下、BBT大学院)入学、2021年3月修了。入学時35歳、インタビュー時は39歳。国内大手製薬会社 営業二課にて課長を務める。(2021年8月現在)。
――はじめに、内山さんがBBT大学院でMBAを取ろうと思ったきっかけを教えていただけますか。
2つあって、まずはMBAを持っていた元上司の存在が大きいです。その上司はものごとの考え方や伝え方がとてもロジカルで、それが私の頭にもスッと入ってきて、納得感のある仕事の進め方ができていました。
私はずっと営業畑で働いてきて、もともと体育会系でスポーツに打ち込んできました。そのため勉強には苦手意識を持っていて、MBAを学んでみたいと思ったものの、自分には上司のようなロジカルシンキングはできないのではないかと不安に感じていました。
実は私は、野球でずっとキャッチャーをしていたのですが、分析力や判断力が求められるポジションなんですね。MBAの学びにもその思考プロセスを活かせるのではないかと思い、上司にMBAを取ることについて相談したところ、「そういうタイプこそMBAに向いているかもしれないよ」と言われて、勉強してみようと決めました。
もうひとつは、MRとしてのキャリアに対する危機感です。いま国内には約6万人のMRがいるといわれていますが、その数はどんどん減少しています。背景には、医療用医薬品の情報提供に関する新たなガイドラインの運用や、製薬業界における公正競争規約が厳しくなっていることが挙げられます。
そのような環境において、会社のなかで昇進するチャンスが目に見えて減っている実感がありました。昔なら、年次を重ねれば昇進していくという、ある程度のキャリアパスが見えていたかもしれません。でもこれからは、キャリアを積んでいくためには自分が変わらなければならないと感じ、「やるしかない」と思い立ちました。
働く環境や家庭の状況をふまえたうえで、シンプルに力をつけたかったので、オンラインで学べるBBT大学院に魅力を感じて入学を決めました。
――実際にBBT大学院で入学されてみて、どのように感じられましたか?
医療業界しか経験してこなかったので、最初はわからないことばかりでした。でも新しい世界が広がって、ファイナンスやアカウンティングなど、仕事をしていくうえで知っておいたほうがいいと思うことがたくさんありました。特にファイナンスの知識は、日常生活でも役に立つことがあると感じます。講義のなかで一番きつかったのはRTOCS(※1)ですね。
――RTOCSはみなさんが苦労されますが、取り組むうちに楽しくなってくるという方もいらっしゃいます。内山さんはいかがでしたか?
いわゆる学校での勉強に慣れていると、RTOCSは違和感があると思います。なぜなら正解がないからです。はじめのうちは、結論を出しても“やりっぱなし”のような感覚があったのですが、20〜30回くらい取り組んだ頃、自分のなかで「これでいいんだ」と納得できた瞬間があったんですね。
最初は、発言をしても周りの人がどう思っているかを気にしてしまっていました。でも、情報を集めてロジカルに結論を出せていれば、文句を言われるわけではないですし、自分なりのものをつくりあげればいいんだと思えて吹っ切れました。それから自分のなかで“うまくハマったな”と自信を持てるものが何回か出てきて、だんだん楽しくなっていきました。
――具体的にどの課題が印象に残っていますか?
100円ショップをテーマにした課題が印象深かったですね。生活のなかで身近なものですし、自分で店舗に足を運んでみて、社長の気分になって考えている時が楽しかったです。100円ショップはどこも同じだろうと思っていたのに、競合各社の違いに気づけたのも発見でした。まったく未知の分野を扱う課題もありますが、実際に現場を見られるケースは楽しみながら取り組めました。
また、メンバーに恵まれて、みんなで協力しながら取り組む楽しさもありました。自分の発言に対して誰かが必ずレスポンスをくれて助かりましたね。BBT大学院での学びは、ディスカッションが記録として残るのもポイントだと思います。
一つひとつ考えて投稿をするので思い入れがありますし、考えたことを文章に書いて取り組む一連の作業が記憶になるのかなと。時にはスクーリングでリアルに顔を合わせることもありますが、オンラインで学ぶからこその良さも感じました。
編集者註
(※1)「RTOCS(アールトックス)」:「Real Time Online Case Study」の略称で、BBT独自のケースメソッドです。答えの出ていない「現在進行形の企業課題」をケースとして扱い、当該企業に関する調査・分析・戦略考案を自ら実施します。大前研一学長の戦略系科目において、卒業までに2年間毎週1題=合計約100題を繰り返し行います。
――仕事をしながらMBAを学ぶのは大変だったと思います。モチベーションを保ち続け、心が折れないようにするための工夫はありましたか?
入学する時に絶対にやりきると決めていましたし、自己投資をしているので絶対に回収してやろうという気持ちがありました。ただ、実際に勉強したら一つひとつの教科が必ず身になっていたので、それがモチベーションになりましたね。
学んだ知識を活かして仕事で発言をすると、「よく知っているね」と言われたり、アドバイスを求められたりすることも出てきて、自分にできる仕事の内容が変わってきました。それはBBT大学院のおかげだなと思っています。
BBT大学院で勉強していることを仕事でお会いする先生方にお話しすると、皆さんが応援してくださるのも励みになりました。先生方は、モチベーションを持ったMRに担当してほしいと思っていらっしゃいます。卒業を先生方へご報告にうかがったところ、とても喜んでいただけました。
――普段の勉強はどのように取り組んでいましたか?
土日はほとんど勉強せず、平日に集中して取り組みました。子どもが小さく、妻には迷惑をかけないという約束のもとで入学したので、最初の半年くらいは本当にきつかったのですが、だんだん自分のリズムをつかめるようになりました。両立に悩む方はたくさんいらっしゃると思いますが、家庭と仕事と勉強の3つを“三立”できるのはBBT大学院だけだと思います。
――勉強をするうえでのコツはありますか?
常に頭を動かして考えておくことでしょうか。私のMR活動に関していえば、1日に多くて10人くらいのドクターにお会いしますが、1人あたり平均約10分です。それ以外は診察が終わるまで待っている時間や移動をしている時間が多いので、その時間を課題について考える時間にしていました。アイデアを出すまでが大変で、アイデアさえ出てメモしておけばあとは書くだけなので、パソコンを出した時に一気にアウトプットするようにしていました。
「週◯時間の勉強時間をつくろう」と思うとたぶんできないので、空き時間をうまく活用して勉強の時間にあてました。ジョギングをしながら講義を聴くこともありましたね。
――BBT大学院で学んだことを仕事に活かせたエピソードがあれば教えていただけますか。
BBT大学院で学んだことしか使っていないと言ってもいいくらいです。実は、入学前はMRとしてプレイヤーの1人だったのですが、在学中にマネージャーになることができ、現在は都内の多摩エリアと城南エリアの責任者をしています。
マネジメントの観点では、チームづくりをする時に役立ちました。これまで、個々人が成果を出せていても、チームとしての力を高めるにはどうしたらいいのかが明確ではなく、マネージャーそれぞれの感覚的な教え方になりがちでした。
そこで、BBT大学院で習った「7S」(※2)のフレームワークをもとに考えてみたんです。「7S」は改革すべき要素がわかりやすくまとまっていて、使えるなと思いました。また、個人面談をする時は「Will/Can/Must」(※3)の考え方を取り入れています。日々のあらゆる業務において、BBT大学院で学んだことを活かすとうまくいくケースが多いですね。
そういった取り組みを行なったことで成果を出すことができ、社内の営業が200人ほど集まる場でチームづくりについて話す機会をいただきました。それに反響があって、チームづくりに関する相談を受けることも増えました。
――会社としては、内山さんのような存在がいらっしゃると心強いですね。マネジメントに関して特に役立った講義はありますか?
川上真史先生の「戦略的人材マネジメント」の講義が印象に残っています。エビデンスに基づいてスキルセットもマインドセットも現場で活用しやすい講義が多かったです。なので、いまも川上先生の講義のスクーリングがあれば参加しています。
――内山さんにとってMBAとはどんなものでしょうか?
MBAは“失敗を減らせるツール”だと思います。何をするにしても、知らないと手探りで進めなければなりません。でも、自分にとって軸となる知識を持っていれば、やるべきことの方向性がある程度決まるので、ムダな時間がなくなります。
現場で何か問題が起こった時、状況を整理するクセがついていると調べるべきことが明確で、すぐに行動に移すことができますよね。そうして出した自分なりの結論には納得感があって、成功に近しいものになると思います。
MBAを学ぶまでは、感覚的に間違っていないだろうと思うことを、行き当たりばったりでやることが多かったんです。MBAを学んだからこそ、直感だけで動かず、ロジカルに考えられるようになりました。BBT大学院での勉強にちゃんと取り組めば、頭の中でロジックツリーが見えて、何らかの解決法が見えてくると思います。特にRTOCSはいわば“100本ノック”のような感じで、思考力が鍛えられましたね。
編集者註:
(※2)「7S」・・・マッキンゼーが提唱したフレームワーク。3つのハード面からみた経営資源と、4つのソフト面からみた経営資源をもとに、組織の現状と理想のギャップを診断するもの。
(※3)「Will/Can/Must」・・・個人がキャリアを考える上で役に立つフレームワーク。Will(やりたいこと)、Can(できること)、Must(やるべきこと)に分けて考えることで、キャリアプラン策定に活用できる。
――MRの方がMBAを学ぶことについて、どう思われますか?
MRは、自分で仕事を決めて、その成果が評価される職種です。なので、隙間に時間をつくろうと思えばつくれます。ただ、先ほどお話ししたような製薬業界が置かれた状況を打破するためには、何かしら自分で学ばなければなりません。
多くの人は「時間がない」と言いますが、隙間の時間をつくりやすいMRにとって、オンラインで学ぶBBT大学院はとてもマッチしていると思います。MRに限らず、成果主義かつ自分で時間をコントロールしやすい職種で働いている人には、特におすすめしたいです。
――最後に、MBAを検討されている方へのアドバイスをお願いします。
もし、いま仕事を楽しめていないのなら、勉強すればきっと環境を変えられるので、絶対やったほうがいいと思います。昇格やジョブチェンジを目指したり、視野を広げたり、キャリアを待つのではなく自分から掴み取りにいくための武器を得られるチャンスです。
興味があってもすぐ行動に移すのは容易ではないかもしれませんが、まずは一歩を踏み出してみてほしいですね。